両極の世界のなかで

ものすごい幸福感と
得体の知れない絶望感が
ほぼほぼ
交互にやってくる

まずは
幸福感について
はなしますと
ホントに
なにもなくなるような感覚で
負の要素というか
気持ちのわるさが
見あたらなくなる
錯覚に陥る

目の前には
なにも書かれていない辞書
実際には
日記帳なのかもしれないし
アドレス帳かも
それだけが置いてある机

ピンスポットの照明が
天井から差し込んでいる
僕を照らすだけのために
そんな感覚になる

とにかく
気持ちは穏やかで
とても晴れやかに
落ち着いている
安らぎに
全身を包み込まれたような
安心感だけがそこに在る

いま、この瞬間が
永遠に続くことを
僕は希望しています

次は、絶望感について
奈落の底から這い上がってきた
地獄の番人が
すぐ隣にはケルベロスのような
巨大な犬の怪物を
鎖でつないでやってくる

番人の口癖は
『俺のことを忘れるな』
『絶対に』
『孤独は楽しいぞ』
『お前は自分をわかってないだけ』
『今すぐこっちへ来い』
『喰われるのがそんなに怖いか?』
『然し』
『この恐怖はお前が造りだしたのだ』

どちらの方が
今の自分の感情に近いのか
それはよくわからないけど
たぶん、どちらも真実だと
思っています

両極にある二つの世界観
まるで躁鬱病の患者のように

それでも、互いに
バランスが取れているのは
僕はいま
心の薬を飲んでいないから

フラットで
ニュートラルな精神を
強く
心の底から求めています

だんだんと
ホントに少しずつ
明るい詩が増えてきて

暗闇の色も
孤独の味も
僕が恐れたようなものではなくて

別の誰かの物語(ストーリー)に
なぞらえた小説を
もう一人の自分が
声にだして
静かに読んでいる
僕だけに向けて
朗読してくれているような

感謝の気持ちが
僕の童心を満たしていく
ポッカリと穴の空いた隙間を
徐々に
羊水が埋めていくかのように

然し、
まだ時間はかかるでしょう
自分のなかにある闇を
ホントに受け入れるには

途中で
諦める
降参するのかもしれません

唯一
いま、わかるのは
実感としてあるのは

僕自身は
僕を待っていること

ただ、それだけです

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