二人の『Re:』

別に
一箇所に
対象の軸足は
固定されたわけじゃない

自分だけでもないけれど
ボクのためにだけでもない

君のお世辞と
悪戯を真に受けて
膝小僧にできた
擦りむいただけの
すぐに血が止まる小さな傷跡

明日にでもなれば
時間が経てば
何事もなかったように
表面的には
ツルツルに戻ったけれど

ボク側の重いは
元に戻ることがなかった
ペダルは
軽くなくてもいいから
時には君のため
時にはあなたのために

宙を睨むような
親不孝な
目線のまんま
慰められない核を
真ん中に抱え込んで

そして、
好きだった詩(うた)を
抱きしめるようにして
ボクは
また今夜も眠る

囁かなる願いや
微かなる希望は棄てられず
アカルイミライを
あなたの瞳に映った光源を
ユクエを追いかけ
この両手で
掴まえるように

是とは
別の映画のはなし
君とできたら
ボクはうれしい

また一緒に
自転車にも乗ろう

歩けば
たったの五分
近くの
Convenience Storeまで

手元が
ブルブルに震えた
ショーネン時代
二人には
バランスは要らなかった
それが適した
ちょうどいいサイズの世界
その中心に
たしかな現実が在った

『北の映画』のような
二人乗りで

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