ご新規さん

ボクが提供した
最高の料理を
君たち、ニンゲンは
全く手もつけない

箸も、スプーンも、フォークも
食べようとはしなかった
たったのひと口も

そのうちに
ボクが
時間を
たっぷり使って作った
渾身の料理
今夜のメイン・ディッシュは
冷めてしまう、またまた

冷えたおかずを
電子レンジで温める
それが
君たちにとっての慰めか?
果たして?

ボクは喜んだりしない
コックさんは怒っているよ
今だって

君の目は
醒めていないようだ
朝のこの時間になっても、まだ
なら、ゴミ箱行きだ
その料理は
残念で、無念だが、仕方がない

そのくりかえし、悪循環
不健康な君たちにはお似合い
不幸な自分を愛するために
たくさんのマニュアルを買ってきて
知識人を目指せば?

アタマデッカチの
くだらない物語
それが
君のホントにしたかったこと?
ボクは
あまり
興味が持てそうにないから

いや、待てよ
さっきの冷めた料理は
一度、お皿だけを洗って
小さなお皿に盛り付けて
猫たちにあげよう
わすれてた!

ちょっと
栄養は偏るかもしれないけど
きっと美味しく
君たちは召し上がる、食べてくれる
ボクのだした最高の料理

まあ
知っていたんだけど
君のことも
このはなしも
この世界もね

実は
このお店
はじめてじゃないのよ、ボク

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