フェイクファー
紙コップから
愛が溢れているような
まんまるの格好をした
中身が空っぽの概念に
黒猫も羨むような黄身
白くなった慕情にも
沈まなかった黄色い太陽
夕焼けと夕暮れの違いにも
忘れられたような言葉遣い
目の前には居ないあなたへ
溢れることがない容量
永遠じゃなくていいから
雨なんか誰も降らさなくても
悲しみなんて所詮は、初戦は
僕よりも明るく微笑んだから
えくぼにだって性格は出てる
足ら、鱈、他ら、その未練は
クリーム色に塗られないから
何も生まれなかったことにして
生命の尊厳なんて噂に消えても
コーヒー牛乳の味は変わらずに
月賦と月謝が上がっていたから
心が萎えたりはしないで
誰にも触発はされなくても
ニンゲンは独りで活きてきたから
僕が傍に居なくても
Loveletterのintroductionは
優しい声が聴こえては
美しく響き渡ることなんて
どんなに音色が寂しくても
コドクからは何も云われなくて
部屋のなかで埋もれていたのは
毛布に似てる
温そうな偽物
Made in USAじゃなく
スイス製の毛皮だったと思ったら
ウチの愛猫だったし
ウソの素描に過ぎなかった