宗教観

『謎謎する？』

謎の言葉が
鼓膜に木霊したから
後ろを振り向いて
僕、ウシロムキになってみた

けれど、君は
遠い空を眺めるだけで

名前を呼んだけど
呼んでみたけれど
全く
僕には興味を示さなかった

ワスレタコロに
良いお知らせ
朗報はやってきた、いつも

タイミングを
はかるようにして
僕は僕が来る
やってくるのを待っていた

いつもの時間より
五分遅れで
君はやってきた
待ち合わせの場所に

『どうして、遅くなったの？』

問い質した僕に
君は言った

『着替えてたら』
『着たい服がいっぱいで』
『今日はコレって感覚』
『絶対』
『この服と髪型にしたい』
『そればっか考えてたら』
『時計の針は』
『私よりも速くなって』
『追い越された』
『さっきを五分間だけ』
『だから』
『そんな感じ』『だいたい』
『私が遅れた理由』
『待ち合わせに』

まあ、いいや
そんなの、全然
だいたい
想定通り、予想通り

君は
僕のイメージには
間に合ったの
マニアックじゃなくて

遊びに行こ
君が知らない場所へ

そうそう
謎謎は考えといてくれた？
問題？

君はずっと
遠い空を
見ていたように見えたけど

何
考えてたのかなって
僕
君の名前、呼んだんだけど

『嗚呼』
『君以外のこと』
『全くタニンの事』
『知らなくてもいいような』
『つまらない話』
『何も考えないようにしてた』
『無の境地』
『サトリでも拓こうかと』『か』

宗教なんか
興味ないよ、僕は
あんなの
結局、お金じゃないか
みんな、全員、揃いも揃って
偽物、紛い物、イミテーション

まあ
君の宗教なら
万が一
ちょっとくらい考えても
話くらいなら
聞いてあげても

僕、良いんだけれど？

今はいいや、そういうのは

遊びに行こう、僕と一緒に

君が知らない場所へ

怖くないところ
全く不安がないところ

緊張しなくてもいいよ
まあ、コッチは
僕はちょっと緊張するけれど

『僕は』
『君がスキだからね』

『Charismaなのよ』
『僕にとっての』

『君は』
『全然』
『気付いてないけど』