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猫の髭

生きると
活きると

どんどんと音をたてて
砂のお城は崩れたように

雪の華は
折角だったのに
同じ形
元通りに戻ったから

其方の別には
別人に似ていても
私は構わないとだけ

夜空に浮かんだり
夕焼けを
隣り、側に感じて

太陽は
愛変わらず
可愛がらず
暑苦しいだけの
希望的な存在感

植物に
僕はなれない
自分自身の勇姿に
頭を殴られながら

街灯の点いてない
暗い道を独りで
今日も歩いた

家に帰るまで
セッカチは治らなかった
症候群にもならなかった

だから、人の心は病むんだと
神様色をした君は僕に呟いた

囁きではなく
米粒を焼いた
その事を妬いた
だけだったから

とうもろこしを
食べたくなった夜に
縁日でもなかったし
祭日でもなかったし
誰も公園には居なかったし

すぐ隣りには
題名は知らなかったけれど
誰かの
生温い歌声が響いてたから

ただ、無料で聴いていた曲
僕は
公園の野良猫たちと
一緒に歌った

夜明けまであと少し
星は出ていなかったのに
空は
宙は
明るく輝いた

満たされた月が
そこにあるから
誕生パーティー
宴会は
静かに続けられた

朝が来るまで
猫は傍に居た

光は
艶は
全く希望していなくても
僕の足元を照らしていた

治るかもしれない
この病気
なんとなくそんな気がした

死なないのではなく
生きられないのではなく
存在は
尊さは
未だに危ういから

その理由じゃない方を
僕は一つだけを選んだ

あえて
やっぱり

君とは
違うと思ったから

それを
その事を

僕は
その猫の
1本の白い髭を

血の通った
心細さを
一つだけ

この手に取った

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