アト

そのまま
在りのままを

ぼくに
イカリを
ぶつけるように

君は
自分のシタをつかって
話せばいい

さっき食べたごはん
吐きだす前に
話しだせばいい

それだけのこと

誰も
君のことを
恨みも
憎みもしていない
怖がったりもしない

もちろん、
君を避けることも
嫌うこともない

全部
それは
君側の誤解だ
単なる
ゴカイに過ぎない

痛かったのは
君の傷口が
君が感じたものの
すべてが
シンジツという証

それだけは
たった一つ
ホントのこと

君は
傷ついている
いまも
変わらず
傷ついている

その傷みを
ぼくは
取ってあげることが
できない

歯痒いけれど
もどかしいけれど
哀しいけれど
切ないけれど

だけど
それは
仕方がない

この気持ちの
やり場もない
どうしたらいいのか?
わからない
ぼくには
わからないんだ

それだけでいいのに
できたら、よかったのに

どうしても
君のために
生きることができない

もうぼくには
アトがない
残り時間は少ない

ことばは無力だ
人生は不可解だった

ぼくにとっても

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