ホワイト・バランス
なにもかも
叶っていいような
ことばかりで
ぼくが生まれた
この世界は
ホワイトのバランスを
なんとかかんとか保ってる
自然界の醜さを
象徴するかのように
まさかの調和を
実現しちゃうように
君は今日も
休む間もなく動いていたけれど
そんな君を
余所見をしながら観ていたぼくは
顔を真下から覗きこんだ瞬間に
また恋をしてしまうから
恋愛の回路に
思考のスイッチが入るから
ホントはただの凡人だったのに
基本動作の大切さも忘れちゃって
無敵になったような顔で
遠い未来を
夢の遥か彼方を
また子供の頃の憧れの色に
単色、原色で塗りつぶしてしまうから
諦めた君の顔はどんなにマヌケでも
ぼくのこの恋心は醒めなくて
目が醒めてしまう前には
なにもかも
ぼくの描いた思いどおりの世界に
たった一度、指でさわっただけで
君の表情は
今までに観たことのないくらい
別人みたいに美しくなった
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