Syrup(5gram)
きれいな
美しいくらいに
透明のシロップ
蜂蜜(ハチミツ)
みたいに澄んだ色
けっして
ひつこくはない味
甘くて
甘ったれで
蕩けにトロけた
冷製のスープ
だけれど
けれども
その液体
実は
君の紅く
ピンク色の唇のなか
冬場でも
ヒビ割れないように
リップ・クリームを
たっぷりと含んだ
潤っただけの
生温い湿地帯
その扉を上下に
大きく開いたら
白い歯が綺麗に整列
もしかして
インプラントも
何本か混じってる?
まあ、君の微笑み、笑顔は
僕の荒んだ心、気持ちを癒す
から、別に
そんなのどうでも良いや
歯の裏側にある久住は
歯ブラシしか知らない
否、正確には
担当の歯科衛生士
しか知らない世界
暗闇のなか
宙芯に在ったのは
君の下側じゃなく舌だった
ベロちゃんね
まあ、所謂、一般的に云うと
その、ベロちゃんから出てる
滴るような無色透明の液体に
僕は
この世のなかで
図鑑に載っている生き物のなかで
最高レベルの魅力を感じた
君が
教室でうたた寝した時
唇の右端から
机に
教科書に
堕ちた、垂れ流された
透明の一筋
窓硝子を
通過した
希望の光を
僕は
永遠に忘れない
ツバ?
ダエキ?
それとも、ヨダレ?
僕の好みを
あえて、挙げるなら
③のヨダレだった
涎と漢字で書くらしい
君の垂らしたヨダレ
こんなに美しいものが
この世界には存在する
誠に残念ながら
僕の精神は
完璧な形で
たった今、敗北した
透明な液体に負けた
僕、負けちった、君に
ヨダレに
居眠りって悪くない
全然
スッキリする、眠気も、頭も
ほんの1分足らずで
君のヨダレを愛する僕は
hentaiだと思うけど
ニンゲンなんて・・・・・・・・・
キライだよ
皆、基本、嘘つきだからね
ホントは
ヨダレ、スキな癖に
こんなに
君のこと
大好きだったのに
『たったの1度で良いから』
君のヨダレ
僕
カレー用の大匙
銀のスプーンで
舐めてみたかった
君というひとのエキスを
味わいたくて
しょうがなかった
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