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Hommage

やっと
親が寝たら
ほんの少し
夜、眠ると

一晩で
傷は回復する

不思議な位に
それが長所に

給食の
コッペパンは
小学生の
僕にとって
全然
美味しくなかった

だって
そのミルク
雪印の
コーヒー牛乳じゃないから?

成る可くは
その可能性
その可動域とも

君が
僕ではない
という事実に
求めた信憑性は
ありえないから

この現実感とも
実際の色は異なった

最もな
根拠なんて
探す必要性は
失われた
なくなったのに

今頃になって
火の鳥は
また
もう一度
青白くなっていく

たとえ
翼が
紅い羽根が
二度とは
要らなくなっても

飛べない
跳躍をしない自分には
心底の同情をしたくない

等しさを
鞄の中に持参した物は
幼き夢の破片

魂があるのではなく
ビー玉が水に濡れて
艶やかな光の輪を
手元に

袂に
麓へと
虹の色を
太陽と分かち合いながら

紅い葉は
自己から距離を
自らを
その場に於いて往く

寝たら
忘れるような
温い記憶なら
そのままで構わない

柔らかさがあるなら
心など
美しくはなくても

私は人間なのだ
醜いだけではない
観難い
黒い瞳で
望んだ景色は
見えなかっただけ

単に
見つからなかったことへの
hommageに過ぎない

あなたに
あなただけの
価値は与えない

勝つ
且つ
克つは
私には在り得ない

それが
私にとっての希望

そして、
やがて、
唯一の、
たった一つの、

生命線となった

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