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別の人

嫌われたような
君に僕が
そんな気分になって

憂鬱な一日が
また
始まるんだろう?
そんな風に
想って眠りについた

だけど
昨夜の僕は
今朝の僕とは別人で

セカイが
終わらなくても
この人生を
先に終わらせちゃうのは
僕しかいないような
気になって

全然
眠れる気は
しなかったのに

気がついたら
いつの間にか
僕は眠っていて

朝の光よりも
だいぶ僕の方が
早く目が醒めて

現実的な
優しさを
もたらしたのは
クーラーの
冷たい風でもなくて
朝の光でもなかった

闇のなか
自分の
ホントの気持ちを
たしかめて

たった独りで
コドクなまま

ほんの少しだけ
昨夜の想いが
賢くはない頭を
カスメタけれど

別人だから
別の人だったから

今日の僕には
全部ヒトゴトで
まるで
自分の
ヒトリゴトのように
フンワリとしか
何も憶えてなくて

そうしてるうちに
ホントに朝の光が
窓から射し込んで

やっぱり
違うと思って

それでいいんだと
当たり前に
昨日の
晩ごはんの食器を洗った

顔も洗ったし
歯も磨いている
普段と変わらない
何一つとして

日常のなかに在る
自分の背中
その幼さに
小さな息吹を感じながら

悩まずに
考え込まずに

君のことも
誰のことも
自分のことも

あらかじめの
今日の予定すら
別にと
慌てず、焦ることなく

急がなくても
また、間に合ったから

力むことなく
肩の力
その脱力感を肌に感じて

元気の源のようなメロディ

何処にも行かない
何処にでも
ホントは
行けちゃうような

自分の心に
等しいサイズで
ちょっと溜息をついたら
ホッと落ち着いた
着いてしまった

投げ遣りでもなく
自然に
ごく普通に、平凡に

僕は、今は、今日は

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