maxi single
1995年4月5日
二十歳の誕生日に
僕は君に出会った
というか
出会ってしまいました
偶然なの?
必然なの?
今の自分に聴いてみる
必然じゃないかな、たぶん
だって
君の方から近づいたんでしょ?
たしかに、そうだった
わすれてた
普段は歩くことのない繁華街を
当てもなく歩いていたっけ
緊張を落ち着けるために
ふと、本屋に入ったら
そのメロディは店内に流れていた
勇気をだして
レジ近くで作業中の
店員さんに声をかける
『今、かかってる曲は何ですか?』
『ああ、ロビンソン。スピッツですね』
『ありがとうございます』
僕は自転車を
全速力で飛ばし、ウチに帰った
スピッツのロビンソン!
ロビンソン、スピッツ!
『おかあさ~ん!』
『すごい良い曲、見つけたよ』
『ボク、CDが欲しいんだ』
『どうしたの!急に、落ち着いて』
『いや、だから』
『なんて曲?』
『スピッツのロビンソン・・・・・・・・・』
『その曲が聴きたいのね、わかった』
『明日、帰りに買ってくるわ』
『ありがとう』
それから一時間後
近くのレコード屋で
おかあさんはCDを買ってきてくれた
今、僕の部屋では
スピッツの『ロビンソン』が鳴っている
エンドレス・リピートになって
マキシシングルという言葉
今はとても懐かしい響き
あれから29年か
あの頃の僕に
この幸せをプレゼントしたくなる
色々、君と話したい
そうなんだ
君には
人生初の
彼女ができるんだよ
数年後に
そして、2曲目は『俺のすべて』
物語はまだ終わらない
イントロは
さっき始まったばかり?
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