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Tobari

認めてる
君がたしかに
生きているって

目の前に
すぐ隣に
すぐ傍に

居た君を
何故か
抱きしめられなかった

なにも無かった
昨日も
悪い事は
なんにもなくて

忘れようがない
位に
何一つとして
憶えているという

現在進行形の
今よりもずっと
リアルなだけの
サーリアルを

君とは
形の違う身体を
僕とは
型の違う精神を

抱きしめている
今はまだ
終わり方を知らない様に

鳴り響く心音
僕のか?君か?
よく解んない

いったい
何なんだ?
お前、誰?

顰めっ面の
知らん顔の
他人の
ヤッコさんの叫び聲

どれだけ
懸命にあげても
必死にあがいても
やっぱり
変わらなかった
瞬間、分秒の連続を

決して恨んだりは
恐れたりはしたくないから
君と僕は
真っ暗闇の帳を眺めていたよ

星と惑星が
時間軸から流れて
完全に逸れるまで
自身の影を追いかけていた

手前のテールランプが
二回だけ点ったのを
その目、黒眼でたしかめて

僕ら
『凡人でよかった』とだけ
朝方を
明日を向いたまま
小さく呟いた

さっき
小学校で
習ったばかりの

『国語』を話したよ

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