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Photo by
tetratimo0515
32°F
より肌寒く感じる華氏
部屋の真ん中に座ることに慣れて
何も思わずただ耳を澄ませば
風のない日であることくらい
昨日とは違う今日に憶えた感覚
さらに新しくなったものを探し
自分を振り返りそうな気がした
けれど、振り返ることもなく
何もは何ものままそこにある
音がない部屋だと思ったけど
そんな筈はないとなだめられ
声がしたわけでもないのに
少しの間、左側を見つめる
変わりはなかった、やはり
その繰り返しにも
感情と呼べないような情け
自分の内側で起こる物事
執着なのか
思い込みなのかもわからない
実際にも気持ちは動いた
たしかに、いつまでも
それがホントだったとしても
信じたくはないような話に
この肌寒さは比例していく
段々、ゆっくりと、徐々に
深い眠りから醒めていく
外気と室温の差は埋まらず
隔たりの理由は気にならず
忘れていくような自我に
愛着を憶えては
傷ついたわけじゃないのに
別の名前をつけたくなる
恨みつらみがなくなって
気の所為にしたくなって
さっき、見失った自覚に
誰も居ないことに安らぎ
心は元の偏りを取り戻す
たとえ戻る必要がなくても
概念でよかったと思う
現実的な話は曖昧にできる
工夫をするだけで幾らでも
抽象的な存在感のまま
生活するくらいは容易に
納得が目的ではなかった
証が欲しいと思ったのにも
たいした理由はないから
別にどちらを選んだって
同じ結果になることは
暗いのは知っている
自分の話になり易くなる
結局とは言わない
今、あなたに会えたとしても
わからないことについて
話さなくてもいいのなら
迷子になったままの僕でも
部屋には無事に戻れてしまう
明るくなる頃には
間に合ってしまう
何故か整えられたような朝に
求めた羨ましさはなかった
憧れではない自然にも
色色な感情と感覚は在る
何もないが存在感を薄くしても
それ自体には意味がないように
希まれた、望まれただけのこと