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顧客体験設計に使えそうな話

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生活者のナラティブとブランドのストーリーについての考察など
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#マーケティング

「戦略ごっこ」:これまでとこれから

久しぶりのnoteです。広告・マーケティング界隈にかなり浸透してきた感のある拙著『戦略ごっこ』。日経クロストレンド→宣伝会議→MarkeZine→マーケティング学会と、連載やレクチャーが一気に増えました。8月、9月とイベントも目白押しです。 一方で、「興味はあるけど、そんなあっちもこっちも見られないよ」という方のために、それぞれの企画意図や読み分けなどについて整理しておきたいと思います。あと、現在の取り組みや今後の予定についても少し書いておきます。 宣伝会議:エビデンスベ

新刊『未顧客理解』を先行公開:日本初「買わない人」を理解する教科書

こんにちは。マーケティングサイエンティストの芹澤です。この度、2年ぶりの著書となる、"未”顧客理解:なぜ、買ってくれる人(=顧客)しか見ないのか?が日経BPから発売されます(6/17~Amazon、6/20~全国書店)  本書は、「買わない人=”未”顧客」を理解して、事業を成長させるための教科書です。近年は、ファンやロイヤルユーザーなどの「顧客=買う人」に注目が集まっていますが、事業の成長には「未顧客=買わない人」にも目を向ける必要があります。どの企業のどんな商品でも、知ら

2,3年後のトレンドの兆しを、顧客の変化から掴む方法

「すでに起こった未来」からトレンドを予測する未来予測について、ドラッカーは「我々にできるのは、すでに起こった出来事の将来的な影響を予測することだけだ」と述べています。 "The best we can hope to do is to anticipate future effects of events which have already irrevocably happened." 出来事の影響が完全に表れるまでにはタイムラグがあるため、人口変化や科学的な知識の発展

自己紹介・ポートフォリオなど

Perspective is King知らないことを知る。 知っていることを、知らない視点でもう一度解きほぐす。 同じ山でも違う登り方があることに感動して、きっと途中の景色も違うんだろうなと思うと嬉しくなる。そういうメタなことが好きな人間です。あと猫が好きです。 「武器屋の鍛冶屋」私はもともと文化人類学を研究していて、その後データサイエンスの世界に入りました。10年くらい色々な所で分析屋をして、今はコレクシアという会社でマーケティングソリューションやコンサルティングメニュ

ナラティブ分析のコツ

マーケティングにおけるナラティブ分析のコツを、6つのポイントにまとめてお話ししたいと思います。ナラティブとは、生活者が語る自分視点の物語のことです。医療や介護、臨床心理、教育など「その人がそう感じる背景や事情」を理解して1人1人に寄り添ったサービスを提供することが望まれる分野で発展したアプローチです。 1. 顧客の声ではなく、その声がどこから来たのかナラティブは顧客自身の物語です。顧客との対話やインタビューを通して、生活で起こったエピソード・実体験を物語ってもらった定性的な