「機械学習に隣接するソフトウェアエンジニアリングの魅力」イベント後記:共催イベントにおけるテーマ設定のウラガワ
この記事は技術広報アドベントカレンダー 2023の21日目の記事です。
LayerX Engineering Officeの@serimaです。
当社のEngineering Officeのミッションは「人とチームの観点からエンジニアリング組織のパフォーマンスを最大化する」となっており、技術広報の役割も担っています。(正確には有志が集まる技術広報ギルドが担っています)
以前「LayerXの発信の"のびしろ"とCasual Nightのウラガワの話 #LayerXテックアドカレ」という記事を執筆したので、Engineering Officeの役割について知りたい方はぜひご覧ください。
はじめに
今月、PKSHA TechnologyさんとIVRyさんと共催で「機械学習に隣接するソフトウェアエンジニアリングの魅力」というテーマにてオフラインの技術イベントを実施しました。
30名程度の方にお越しいただいたのですが、参加者アンケートの結果では8.6/10と一定の満足度の高さを示しており、改めて共催企業であるPKSHA Technologyのしおみさん、IVRyのryoさん、登壇者の皆さまに感謝申し上げます。
本noteでは、このイベントを行うに至った経緯やテーマ設定への想いについて技術広報として語りたいと思います。
大小さまざま存在する技術イベントには、いち参加者として参加することがほとんどで、ウラガワの事情を知る機会はあまりないのではないのではないでしょうか。
ぜひウラガワを知っていただいて、イベント運営や技術コミュニティへの関わりへのきっかけのひとつになると嬉しいです。
イベントの発端
遡ること4ヶ月前、当社メンバーにIVRyさんより「エンジニア/PdM系で共催イベントができませんかね?」と相談を受けるところから始まりました。
当社としてのフロントは私が担当することになり、IVRyさんとLayerXで共催することの価値について考えました。
下記はSlackに私が投稿した当時の雑メモのスクショですが、両社の共通点を見出すところからはじめてみました。
IVRyさんのプロダクトビジョンと当社バクラク事業のプロダクトビジョンが比較的類似していること、テクノロジーで課題を解決していくことに重きを置いている部分が重なっていることに気付き、ここをうまく抽出できると面白そうかな?と漠然と考えていました。
その後、IVRyさんとテーマのディスカッションを重ねていくなかで、このあたりはどうだろうか?という話になりました。
SaaSスタートアップとマルチプロダクト戦略(コンパウンドスタートアップ)
SaaSスタートアップとLLM活用
SaaS × LLM というキーワードで、以前私が企画した『SaaS.tech #7 SaaSにおけるLLMの重要性と実践』を思い出しました。
実は、このときが初のSaaS.tech オフライン実施回だったのですが、PKSHA Technologyさんに会場提供を行っていただきました。(その節もありがとうございました…mm)
今回の共催イベントでも会場は何も決まっていなかったこと、テーマとしてAI/MLあたりに着地しそうということもあり、PKSHA Technologyのしおみさんにお声がけしたところ、ご快諾頂けました。
こうして、3社の共催イベントとして実施していくことが決定しました。
テーマ設定について
個人的に想いが強かったのはテーマ設定の部分でして「3社の共催だからこそ」提供できる価値はなんだろう?という点にこだわりがありました。
各社の担当の方やその裏にいらっしゃるエンジニア達とも連携頂きつつ、テーマ案をディスカッションしていたのですが、基本的な考え方としては
この3社だからこそお話できるテーマであること
凡庸なテーマ設定にせず「面白そう!」と思ってもらえること
という点を意識していました。
おおまかな方向性については3社で早めに合意し、その後細かい表現について詰めていくなかで
「働き方」だとワークスタイルやチームでの立ち振舞っぽい印象があるので、変更したほうが良いのでは?
「ML」は「機械学習」へ言い換えたほうがより伝わるのでは?
テーマの文言内に「エンジニア」というワードが2回は冗長では?
など具体的なフィードバックを経て、『機械学習に隣接するソフトウェアエンジニアの魅力』というテーマに決定しました。
「機械学習に隣接するソフトウェアエンジニア」とは
ぱっと見よく分からんな?と思う方もいるかもしれないので、もう少し深掘りしておきます。
私が問いたかったのは「AIの民主化が進む時代において、最高のユーザ体験を作るのは誰?」ということなのだと思います。
これに対する現在の私のアンサーが「機械学習に隣接するソフトウェアエンジニア」です。
当然、機械学習エンジニアも顧客価値へ向き合っているという前提ですが、UIの観点も含めてプロダクトへの実装を落とし込んでいくのはソフトウェアエンジニアだという考えです。
以下はバクラクからの具体事例ですが、こうした実装は機械学習チーム内にいるソフトウェアエンジニアが中心となって実現されていっています。
機械学習に対する一定の知見とUI/UXを含むソフトウェアエンジニアリングの知見をどちらも持ち合わせていることで、お客様への提供価値のレベルが一段も二段も上がるのではないかと考えています。さらに詳しい内容はこのブログをご覧ください。
なお、当社CTOの松本もLLM in Production #2に登壇した際、LLMを製品に組み込む際へのChat UIに対して一石を投じています。
気になる方はぜひブログもご覧ください!
国内だとまだこの領域にばちっとハマる名前は見かけたことはないのですが、海外の情報に目を向けてみると以下のような呼称をちらほら見かけることがあります。
AIUX
AI for UI
ML in UX Design
イベントを終えて
手前味噌ではありますが、各社の登壇は非常に面白く、イチ参加者としても食い入るように見てしまっていました。笑
テーマに沿った登壇内容になっているのに加えて、各社それぞれのカラーがうまく出ており、事業やテクノロジーの魅力が伝わる場になったのではないかなと思っています!
また、懇親会ではこのようなお声も聞いたりしました。企画者としては嬉しい限りです!
さいごに
共催イベントのテーマ設定のウラガワにフォーカスしてnoteを書いてみましたが、いかがでしたでしょうか?
こうしたイベントのテーマ設定は技術広報の仕事だと思いますが、テーマの切り口を考えるのは「難しいけど、面白い」と考えています。
イベントの開催目的から逆算を行い、参加者だけでなくスタッフも含めた全員が学びと楽しみを得られる企画を届け続けることは、私たちにとって重要なミッションです。
単に知識を共有するだけではなく、新しいアイデアや視点を提供し、参加者一人ひとりの成長機会を創出することにも繋がります。
今後のWillとしては、各参加者が異なる背景や経験を持ち寄り、それぞれの持つ独自の視点から学び合い、触発し合えるような場も創りたいと考えています。
そうすることで、イベントがただの集まり以上のものになり、参加者の方々に新たな発見や刺激を提供し、なにか新しい一歩を踏み出すきっかけにしてもらえると良いなと思っています。
また、私たちはこれからも技術コミュニティの発展に貢献し続けていきたいと考えています。技術イベントを共催いただける企業さんがいらっしゃいましたら、@serimaのXのDMにてお気軽にお声がけください!
(この領域に限らずでOKです。一緒に開催テーマについて悩みましょう。笑)
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