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寄せ集め部隊/初めてのミーティング

日本・東京のとある雑居ビルの中。空いている階層に集まる予定の5人がいた。
経緯は、マイクが受け取った手紙に書かれていた内容。
「私たちが集まって一度方針を話し合おう。君にも考えがあるだろうが、顔も名前をわからない者と会うことは不安かな?無理強いをする気は無いが君に行く気があればこの場所に来てくれ。もう一枚の便箋に詳細が記載されている」
という物だった。どんな人がいるかはわからないが、日本に銃は持っていけないし、持っていく気もない。
そんな事をするような人はいないと行ったことも無い国の会った事のない人たちに対して、確たる信頼があった。
日本語を学ぶいい機会にもなる。多くのお金が掛かってしまうが、総司令官から軍資金を貰った。
だから後は行くだけだ。

行き方を調べて準備をして、空港に到着したら弁当を食べ、飛行機の中で寝ていたら思っていたよりも早く着いた。
集合場所は日本の首都、東京だ。
動画や映画、漫画、アニメでしか見たことが無い場所に実際に行く事になるとは思ってもいなかった。
あぁ、緊張してきたな。
手紙を元に地図を印刷してきた。国際空港から電車に乗って長い時間揺られる。すると、調べた時に見つけた最寄り駅に向かうために乗り換えをする必要があるらしく、中継地点の駅の車内アナウンスが流れてくる。日本の駅はアメリカとは違う。しっかり道を確認していこう。

迷った。日本の首都の駅はこんなに広いのか。いくら歩いても全くわからない。
よし、駅員さんに聞こう。
「すみません、この駅に行きたいのですが。どうすればいいですか?」
「そこになりますと、一度改札を出て乗り換えになります。突き当りを右に進めば見えてきます」
「そうですか。ありがとうございます」
わかった。教えてもらった通りに突き当たって右に進み、ホームに続く階段を上った。
路線図を見ていると、調べた駅の名前があった。と思ったらちょうど急行電車がやってきた。
夜の8時に家を出た。日本とアメリカは13時間も時差があるらしいから慣れるまでは大変かもしれない。
日本では今、高く太陽が昇っている。
たくさんの人と共に降りて失くしかけた切符を持って改札を抜け、暑い日差しが降り注ぐ街に出た。あとは印刷したポケットに入れていたらいつの間にかすっかりぐちゃぐちゃになっていた地図を見ながら進んでいくだけだ。複雑な道のりではなかったから、それほど時間をかけずに迷わないで来れた。
周りより綺麗な雑居ビルの5階に「相談所打ち合わせ会場」
と書いてあった立て札があったからすぐにわかった。
エレベーターでもいいんだけど、せっかくだし運動になる階段で5階まで行った。
見かけよりも軽い扉を開けると
「待っていた。君がマイクかい?私が勝手ながら君に手紙を送らせて貰ったグリムスだ。直接顔を合わせるのは初めてだね」
銀髪の格好いい老紳士が穏やかに出迎えてくれた。
この人が、俺の夢を応援してくれるんだ。
今までよりも鮮明にそう思った。実際に会ったのは初めてだけど、なぜか俺には確信があったんだ。

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