寄せ集め部隊/合流
「待たせた。敵の数が多かったな・・・おかげでかなり弾薬を消耗した。君たちは大丈夫だったかな?」
グリムスさんはジャケットを脱いだTシャツ姿で、長袖を2つ折っていた。
「上着に弾が掠ってボロボロになってしまったからな。戦闘服にしているから当然だから、それを想定している」
ジャケットには極薄の防弾プレートが仕込まれている。
特注ジャケットの防弾プレートは、なるべく動きを阻害しないように極薄で非常に軽い貴重で特殊な素材を使用している。防具ではあるのだが、近距離での拳銃弾の直撃は完全に防げない。かすり傷予防のためで付けている。
紙で切った指がしばらく痛いのを、防げる。
想像したらわかりやすかった。
支部を壊滅させた。これからは、奴等の本部を片付けに行こう。と言おうとしたまさにその時。
「ガリアーノです。増援をお願いできますか。手が空いていないので人数を増やして頂きたい。不手際で申し訳ございませんが、持っていた情報は偽物でした。本物は別の場所にあるようです」
「そうか。こっちも今終わったところだ。今すぐ行くから、持ちこたえてくれよ!」
「ありがとうございます。現状、これ以上近付かせないために攻撃しつつ後退しています」
通信は全体に繋がっていて、この内容はみんなに聞こえている。
「別動隊、了解。増援が来るまで待っていてくれ」
廃工場の敷地はそこそこ広めなので、周辺の住民には事態を伝えてはいない。
だが、彼らを混乱させたくは無いため、それはそれでいいのかもしれない。
自警団が自費で買った中古の兵員輸送車で向かう。
ノアルたちを助けに行くんだ。
必要ないかもしれないが。
銃や装備も見ておこう。いざという時に弾詰まりでもあったら大変。
「よし、着いたな。ここにも敵がいるかもしれないから早い所行こうぜ」
敷地に入る前から、牽制射撃らしき銃声が聞こえて来た。
今にも追い詰められているかもしれない。早く行きたいところだが、ここは慎重に。今まで通りに警戒を途切らせる事無く行こう。
「マイク様、皆様、お手数をおかけして申し訳ございません」
「なぁに、気にすんなって。ノアルとクフォンも無事だよな
!?」
「ご安心を。傷はありませんわ」
「私たちは大丈夫です。ですが、情報源が嘘だったみたいで・・・」
そうだった。こっちもやらなきゃいけなかった。
助けに向かうだけじゃなかったのを忘れていた。
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