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道具選びの楽しみ

父はぼくが物心ついたばっかりのころは広告がらみの仕事をしていて、かなり羽振りがよかったです。

まあ、典型的なお上りさんで、モノの真贋を見分ける能力や知識なんて備わっていないけれど、広告がらみの仕事をしていればそれなりのプロと話す機会もあったようで、カメラはNikon Fを持っていましたね。

ぼくを映像がらみの仕事につけたかったらしく、カメラや引伸ばし機、フィルム現像の一式を買い与えられましたね。小学3年生に。

ただし、親父は何の知識もない。仕方なく自分でやってみるけれど、やってみるとなかなか面白いもので、インターネットもない時代に自分なりに工夫したりして、まあまあなことはできるようになったもんです。

セミプロへのでっかい壁

子供なんで全然おカネがないから、写真に関する情報源は月刊CAPAのみ。ライバル誌にカメラマンというのがありましたが、CAPAの方が少しだけ硬派ぶれると思っていたのでCAPAを購読していました。

フォトコンもついています。一回だけ佳作に入りましたね。それ以降鳴かず飛ばず。一方で、女性の小学生で1席2席の常連がいました。たしかにいい写真だし、手が込んでいる。時間をかけていることがよくわかるものばかりでした。

「おれにはムリだね」と思いましたね。

ところがどっこい

ときは何十年もあとになって、大学の同期が夫婦そろってアメリカへ遊びに来てくれたんで、そりゃあもうコロラドの魅力満点な場所を案内して中国系カメラマン役もばっちりこなしたわけです。

もうそのころにはコンパクトデジカメやしょぼい携帯カメラくらいは普及していて、「写真を撮る」ってことは一般的になっていたんですよ。

意味が解らないでしょ?昔は、「写真を撮る」ってのはそれなりに出家するくらいの覚悟が要っていろいろ大変だったんです。まあ、それは後述するとして、同期は「プロの写真みたいだな!」と驚愕しました。

ありがたい話です。まあ、写真の基本とか雑誌に書いてあるようなことを一通りおさえておくとスマホやコンパクトで撮ったのとはかなり違くなりますよね。ま、同期はそこにはまったんでしょう。喜んでくれてなにより。

カメラ小僧

こんな言葉を知ってる人、少ないでしょうねえ。

'80年代、一眼レフにでっかいレンズ付けていると「カメラ小僧」と言われ、かなり差別的な扱いを受けました。ぼくはバイクに乗っていたので大丈夫でしたが、カツアゲされたりいろいろあったようです。

早い話、当時はスマホのような小さな撮像デバイスがないので、それなりのもの(お姉ちゃんのパンツ)を撮ろうとすると厳ついレンズが必要だったんですよ。

まあ、カメラ小僧の間にも貧富の差があり、「親のスネかじり」と言われながら高級カメラとレンズを使う者もいれば、自作天体望遠鏡やバードウォッチング用の望遠を転用する気合いのテクノロジー派もいました。

おれはカメラ小僧じゃない

いまでこそ女の子大好きなぼくですが、当時はなにしろ、いかに写実的な写真を撮るか(だってほかの記録メディアがないんだもん)、それ一本にかけてましたね。

なのでおれの写真はつまらない。

まあね。80年代に小僧ががんばってパンツ撮った女の子なんて、いまじゃ老人ホーム入ってるよ。おれの方が生産的だったかもしれない。

最も多くの旅を共にしたOM-2

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まだまだとにかくカネがなくて、それでもフラグシップモデルと言われるものがほしかった。それで買ったのがオリンパスのOM-2中古。レンズはZUIKO 28mm F2.8とシグマ70-210mm F2.8-3.5だったかな。

とにかくこれらで撮った写真が一番多い。

思いで写真のほとんどはこれらによるものです。

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そろそろ道具にこだわってみるか

で、現在の主力は、NIkon D750とNikkor28mm F1.4, Nikkor 85mm F1.4, そして歴戦のシグマ70-200mm F2.8ですね。

いい写真撮っていないなあ。フォトコンに応募すらしていない。

がんばってみようか。

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