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勝手に考察:転生ものアニメ
世の中で鬼滅の刃が大きく取り上げられるようになったころ(去年の春くらい)在宅+うつで寝込んでいてヒマ、けれど映画を観るほどの気力がなかったため、鬼滅を観ました。
思いのほか面白かったので、長男からおすすめを聴き(まあもうサブカルじゃないんだろうけど)いわゆるサブカルアニメといわれてきたものを次々観ました。そんな中、いわゆる転生ものには共通点があるな、と感じました。
その共通点に視聴者が共感したので、いずれの作品もヒットしたわけです。ですので、これらの作品から現代アニメの視聴者が置かれている状況・彼らの心情に想像をめぐらせてみました。
転生ものとは
こんな題名の記事を読んでくださっている方には釈迦に説法でしょうが、転生ものについて、いちおう、ぼくなりの定義づけをしておきます。
1.現代の世界に生きる若者が何らかの理由で異世界へ移る。
2.その異世界は、いわゆる「剣と魔法もの」古典的なRPG的世界である。
大きく外れてはいないと思います。
今回の考察対象
この素晴らしい世界に祝福を
Re:ゼロから始める異世界生活
ノーゲーム・ノーライフ
3作品の共通点
共通点があるからといってそれぞれの作品の特徴を否定するものではありません。考察するうえで共通の特徴点を見出すことが必要であるまでです。3作品の主人公はみな、
1.若い男性で引きこもり
2.強いわけでも強力な魔法などの特殊能力があるわけでもない
3.転生先にはない知識+持ち前の機転を活かして活躍する
考察:視聴者側
視聴者の多くが主人公と同じかそれより若い世代および古くからのアニメ好きではないかと考えられます。現代の若い世代は日本に限らず国の仕組みや将来に漠然とした不安や不満を抱えていると考えられます。
ですので、不公平な現代社会を転生という形で離れ、学歴も生まれもリセットして裸一貫、機転だけで勝負して、転生先の世界の有力者と渡り合うというのは痛快なのでしょう。
若い世代に限ったことではありません。ぼく自身はいわゆるロスジェネといわれる「受験が大変で、バブルの恩恵も受けず、将来も不安」な世代です。やっぱりリセットしてすごいことしてみたい、という気持ちはある世代だと自覚しています。
考察:製作者側
転生ものの面白いところは、歴史的な名作のように巨匠が凡人には思いもつかないような発想で描いたというよりは、製作者と視聴者が同じような境遇で、同じような感覚を持っていたために共感が生じて作品が成功した点ではないでしょうか。
転生ものの原作者やアニメーターは若いですし、製作の現場をまとめるチーフたちはロスジェネ世代が多いと思われます。
製作者が求める世界観、登場人物の個性といったものが、同じ世界を生きてきた視聴者たちの心に響いた、というのが転生ものの面白いところではないかと思います。