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2024年 年間自選短歌

大切な牢屋の鍵を無くすまで
私は私を閉じ込めている


モノクロの世界に揺れる円環で
いつかあなたと虹をみたいな


Amazonで天使の羽根をポチッとし
アトランティスを探しに行こう


人生は晴れの日だけじゃないのだと
濡れそぼりてはかおる紫陽花


…ウ…ア……アンヨガ………アンヨ…
アンヨガミタイ…アンヨガタリナイ


冬枯れの野に咲く花の名は知らず
ただ負けるなと言われた気がした


願わくば紆余曲折な戯れ言の
溢る世界に満天の星


君の手にトロイメライのくちづけを
ひぐらしは鳴く秋の気配に


あかさたなはまやらわをんそれだけで
人を愛せるものなのですか


この肌が炎に焼かれ雪となり
キミ住む街へ降ればいいのに


なにもない、雨が降っても晴れになり
夜が来たって朝になるんだ


巣から落つ雛鳥、父よ母よ名を
名を一度だけ呼んでくれぬか

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