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騙されない為の辞書



私とその人の間に
共通言語なんてない。

その人の言ってることが
本当は何を意味しているか知りたければ、
その人の辞書を作る必要がある。

まるで捜査みたいに、
とにかく調べて調べて
調べまくって。

あの時の動き、この時の動き
その前後の言葉は?
よーく調べていく。


日本語と英語くらい違いがあれば、
理解までの道のりを感じる。
でも日本語なら通じる
だなんてうつつをぬかし
理解したと勝手に錯覚してしまう。

本当は違う。
通じてなんか、いない。


まずその人の辞書
よく使うフレーズ集くらいだっていい
作るつもりで観察しないと。

そうして辞書が出来てくれば、
自分の辞書じゃなく
その人の辞書でその人の言葉を聞ける。

辞書がなかった時
心配そうにしてる表情で言うその言葉、

辞書を片手にしてると
本当はほくそ笑みながらその言葉言ってる
ということに気づく。

この辞書は、時空を超えて
過去のあの時の表情も読み直ししてくれる。
辞書がなければ
とんだ勘違いをしたままだったと気づく。


専用辞書を片手にせず
その人と深く関わるなんて
裸一貫荒野に飛び込むのと一緒。

自分を守るための自分の辞書
その人を本当に理解するための
その人用の辞書
分けていないといけない。


辞書がないと、
本当のことって何一つ分からない。

そうしていつまでたっても
勘違いしたままでいると、

必死の思いで人に道を尋ねた時、
「この道の先が安息の地だよ」
そう教えてもらった
ように聞こえたとしても
本当の意味で通訳し切れなくて
その道の先で
ギャングに殺されてしまうことになる。

それでいいのか?

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