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あんたとシャニムニ踊りたい 第2話ー③「どうにかなるさ」

 前回はこちらです。

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 私には疑問があった。暁の涙を自然に拭いていたことだ。 

 私にとって、人の体温は不快の象徴であるはずなのに、どうして、あの時は気分が悪くならなかったのか? 

 一度はちゃんと考えようとしたが、それを記憶は許してくれなかった。

 もしかして、私は彼女を求めているのか?

 私は私が分からない。私は一体、どうしてこうなってしまったのか。

 「羽月?羽月?ひよっち?ひよさん?ひー」

 「やめろ、その呼び方。私はあんたを許したわけじゃないんだから」

 「えぇ・・・」

 放課後、私は図書室で暁と勉強していた。 

 彼女が数学のノートを書き写しながら、私は自身に起きたことを考えていた。 

 その前にどうやら、彼女はノートを書き終えたようだ。

 「今思ったんだけど、これノート書き写しても、意味なくない?」

 「あんたはそれ以前の問題なの。数式覚えてからじゃないと意味ないの」

 「そーかもだけどぉー」

 「とにかく、次は社会。地理は覚えるだけだから」

 「へーい」

 暁はちゃんとノートを書いてくれているようだ。私のノートを忠実に書き写してくれているようだ。 
 これからも、ちゃんと書いて貰えると嬉しいのだが。

 「羽月のノートって、分かり易いね。ちゃんとまとまってて。先生よりまとめるの上手いんじゃない?」

 「褒めても、あんたの点も私の評価も上がらないわよ」

 「そういうつもりじゃなくて、本心なのに」

 「あんたは字はまだ読める方なんだから、寝ないで授業受けなさいよ」

 「あははは、精進します」

 素直な言葉を受け止めなかったのは、裏を返せば、私は命令順守の人間なのかということだ。勉強して、怒られたくないだけの臆病者だからだ。 

 ノートだって、上手くまとめられるように、色んな本やサイトで調べたり、やり方を真似してるだけだから。

 「聞くの忘れてたんだけど、あんたはどれ位の点数を目指してるの?」

 「ん?分からん。まぁ、30点代からは脱したいかな?」

 「理想が低すぎる。けど、今はそれでもいい。人間は目標が無いとダメだからね」 
 こいつにはこれ位の目標がいいのかもしれない。

 「分かる分かる。あたしもいつだって、一位目指してるからね」

 全くと言っていい程、話がかみ合ってる気がしないが、今はそれよりも、暁の為になる為に私は持てる力全てを使ってでも、彼女に勉強を教えようとその日のテスト勉強は完全下校時刻まで続いた。

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