「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由
内容
Twitter(今はX)で30万リツイートを記録し、
NHK、毎日新聞、産経新聞、ハフィントンポストでも紹介。
話題騒然の過労死マンガ。
何年か前に話題になった書物。
2017年の発売らしい。
当時はブラック企業なんてのが流行っていた。
流行ったというか巷でよく耳にする言葉だった。
実際に著者がブラック企業に勤めていた経験をもとにした、
実体験漫画。
実際に死のうと思った、
自殺する一歩手前だった。
そんな著者の壮絶な過去の体験談をまとめた書物。
話題になっていたことは知っていたが、
本書を手に取ることは無かった。
図書館でたまたま見つけたこの機会に、
じっくり読んでみたいと思った次第。
感想
「死ぬくらいなら仕事辞めれば」
という至極単純で簡単な事のように思えるが、
本を開いて最初に目に映る漫画に、
答えがある。
その程度の判断力すら失う。
初めて開いた人はここに衝撃を受けると思う。
その程度なのだ。
簡単なことくらいはわかっている。
それができなくなる。
そのくらい精神をやられてしまうのが現実である。
辞めたらその後どうなるの?
仕事見つかるの?
生活できるの?
友人は見つかるの?
環境変わったら大変じゃない?
だから辞めない。
でも、
そのまま続けたら死んじゃうよ?
という図式に気付かない。
そのくらい追い込まれるのが現実。
辞めた方が良いよ。
と言ってくれる人はいても、
前文に戻る。
辞めても良い環境が待っているかどうかわからないじゃん。
と言って辞めない人は多い。
もし、
身内や友人にそんな人がいたら、
全力で止めてあげてほしい。
自殺を考えてしまう人は、
大抵真面目な人。
真面目にコツコツ頑張る人。
そんな人は、
自分の心の限界を、
気付かないことが多い。
他人に指摘されても、
家族に心配されても、
なかなか職場から抜け出せない。
支えになってくれる家族や友人がいても、
仕事を辞める選択は難しい。
辞めても良い環境に巡り合えるかはわからないが、
悪い環境に居続ける理由にしてはいけない。
とりあえず今の環境から抜け出そう。
心が蝕まれて限界になる前に。
周囲の人は切実にそう思っている。
書籍の中で最も感銘した言葉は、
「自分がやらなきゃ誰かがやる」
『誰かが』
という部分が重要。
自分がやらないと
同僚に迷惑かけてはいけない
自分にしかできない
そんな仕事なんて存在しない。
心の限界を迎える前に、
命の大切さに気付いてほしい。
おススメ度
☆☆☆
小説のような空想の物語ではない、
現実世界の話。
どうしてこんなことで命を絶ってしまうのか。
そんな人が多いこの国全ての人に読んでほしい。
過労死等の労災認定が
2023年度は
1000件を超えていた。
ニュースでも過労死の話題が取り上げられ、
企業の酷さがあらわになり、
働き方改革が進む中、
1000件を超えているのである。
衝撃を受ける人も多いが、
これがこの国の現実。
この本がTwitterで話題になっても、
まだまだ世間の人に届いてない。
仕事が辛い人も、
仕事が楽しい人も、
余裕がある今、
この本を読んでほしい。
命の大切さとか、
命の尊さとか、
重要ではあるが、
何よりも第一に、
自分の命を守る
ことを徹底してほしい。
あなたがやらなくても、
誰かがやってくれます。
心の限界まで追い込む必要は無い。
親から繋がれた大事な命を、
守れるのは自分しかできないのだから。
タイトル:「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由
著者:汐街コナ
出版:あさ出版