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【本要約】キャリアづくりの教科書

キャリアについての考え方は、個人によりますよね。
キャリアというと、自己理解や目標設定、スキル開発、経験などの様々な観点の学びの本などがあります。
これらの観点をもとに、自分に合ったキャリアプランを設計し、継続的に見直すことが大切です。
進む方向が変わる場合でも、柔軟に対応し続けることが、長期的な成功につながります。
今の時代に合った“キャリアづくり”について、整理されておりわかりやすかった本をご紹介します。

■要点

・旅の「目的地」を知るには、「解凍・形成・再定義」の3ステップによって、自分自身を言語化する必要がある。

・キャリアジャーニーを円滑に進めるためには、高い市場価値が求められる。市場価値は「希少性」「市場性」「再現性」の3つの要素から成る。

この2つの要点について、整理しましたので共有します。


目的地〜自分自身を言語化する〜

ステップ1:解凍

旅は、自分自身を知り、言語化するところから始まります。
本書では自身の言語化に必要なステップを「解凍・形成・再定義」の3つに分けて紹介しています。
ステップ1:解凍では、「プライドの鎧」を脱ぐことから始まります。
これまでのキャリアや生き方を否定しまいと「自己正当化バイアス」に陥り、自らの本音に向き合えていないケースも多いですよね。
例えば、若手時代に日の目を見ず長い下積みの末に認められた場合、ようやく手に入れた地位に固執して「べき論」を振りかざしてしまう可能性があります。
すると組織から人が離れていき、気づいたら孤立していました。
このような事例は枚挙にいとまがない。自分の気持ちに背を向けず、本当にやりたかった目的を自問することが必要です。

プライドの鎧を脱いだら、次は「固定観念の鎖」から抜け出すことが必要です。
「手を挙げても機会をもらえる会社ではないだろう」
「異業種では通用しない」といった、自身の能力への諦め、周囲や組織への諦め、そしてチャレンジ自体への諦め。こうした思い込みの「鎖」を見つけ出し、その枠の外側に考えを広げていくことが重要です。

ステップ2:形成

自分自身を言語化するとき、自分の過去に大きなヒントが隠されています。
それを見つけ出す補助をしてくれるツールがライフラインチャートだ。縦軸に充実度、横軸に過去から現在への時間を取り、生まれてからこれまでの人生を感情の起伏によって表したチャートです。

最高に充実した体験、逆に本当に苦しく厳しかった体験などは、人生のターニングポイントになった可能性が高いです。

ライフラインチャートで自分の人生を再確認したら、いよいよ自身の「本質」を形成する要素抽出に移ります。

自身に影響を与えた事象をピックアップし、それについて「社会目的志向」「コト志向」「ヒト・環境志向」の3要素の視点で据り下げていきます。
例えば、「営業成績1位獲得」という経験であれば、自社のパーパス実現につながる実感がもてた(社会目的志向)、組織ではなく個人として感謝された(コト志向)、メンバーの模範となる行動がとれた(ヒト・環境志向)といった具合です。

どの要素も自身の志向を知るための重要な要素ですよね。

ステップ3:再定義

ステップ1と2で過去を再認識したら、最後は未来を描くためのステップです。
未来を描くには「思考」と「行動」の2つに分けて考える必要があります。

まずは思考の壁を外すことから始めます。
そのためのフレームワークとして「IF理論」があります。
「もし、どんな課題も解決できるとしたら、どんな課題を解決したい?」といった制限を取り外した質問を投げかけることで、その人の本来の意志を見出す手法です。
制約条件を外すことで、本当にやりたかったことが見えてきます。

武器~市場価値の3要素~

希少性

旅を円滑に進めるための武器(市場価値)は、「希少性」「市場性」「再現性」の3要素で整理されます。
順を追ってみていきましょう。
まずは、他者との差別化の結果生まれる「希少性」です。
希少性はスタンス、ポータブルスキル、テクニカルスキルの3つの要素で構成されます。
スタンスとは、仕事に対する姿勢や考え方を指し、「向上心」「素直さ」「主体性」などがこれにあてはまります。
スタンスは習得や矯正に時間がかかるため、新卒など比較的若い世代に強く求められる要素です。
ポータブルスキルとは、異業界・異職種にも持ち運べる強みを意味します。
「論理的思考力」「プレゼンスキル」「課題解決力」など汎用的なものです。
ただし、これらは時代によって変化するため常日頃から何がレアなポータブルスキルなのかを意識しておいたほうがよいですよね。
テクニカルスキルは、特定の領域やシーンで発揮される専門性の高い能力のことです。
弁護士、公認会計士といった資格以外に、マーケティング、コンサルティングといったスキルもあります。

市場性

市場価値を構成する2つ目の要素が、世の中でどれくらいニーズがあるのかという「市場性」です。
市場性は、次の3つの観点で捉えるといいとおもいます。

1.
業界・領域の成長率を捉える成長率の目安は年平均3〜5%以上であり、各業界や総研が出しているレポートを参考にするとよいとおもいます。
業界内の定義が各々異なるため、「同一業界内の複数の主要企業が成長しているか」を見る必要があります。

2.
背景にある構造を捉える(マクロ)PEST分析によって、業界や産業の成長の背景にある社会動向を見ていきます。
例えば、政治では法規制、経済では各国の金利政策、社会では少子化による高齢者マーケットの伸長、技術では生成AIの発展などが一例です。

3.
必要とされる人材要件を捉える(ミクロ)ビジネスモデルが短命化した今、「事業基盤の強化・再絹、事業ポートフォリオの再構築」「新製品・新サービス・新事業の開発」が経営課題として浮上しています。
この課題を解決できる人材の価値は業界問わず高まっています。

再現性

最後の「再現性」は、違う組織・環境に移ったとき、同等の価値を発揮できることを指します。
次の3つの質問に回答する形で言語化するとよいです。

1.「あなたは何の取り組みをしたのか?」
どんな成果をあげたのかだけでなく、どのような取り組みをしたのかというプロセスを考えます。

2.「なぜ、その取り組みをしたのか?」
具体的にどんな工夫を凝らし、どんなオリジナリティを出したのかについて考えます。

3.「どんな環境・要素があれば他の組織でも同様の力を発揮できるか?」
これらに回答することで、自分が再現性高く成呆をあげるために欠かせない要素が見えてきます。

自身の市場価値について知るためには、転職エージェントなどの外部の目を活用しましょう。
定期的に自身の市場価値を算定するためには、転職活動と同じ準備をする「エア転職」も有効です。


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“キャリア”について考える本
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