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わずかな「できたこと」に注目する

こんにちは。セラとぴあ代表の黒丸です。

クライエントの気づきを促したり、
ネガティブな視点をポジティブな視点に
変えようと思ったときに有効は質問のスキルがあります。

質問自体はいたって簡単です。

クライエントが、多少なりとも
「できたこと」を語ったならば、
「なんでできたんですか?」と
たずねたらよいだけです。

例えば、
「食後の後片付けをしないとと思いながらも、
めんどくさくなって、
ついそのままにしてしまうんです」
といった悩みごとを抱えているクライエントが
いたとしましょう。

話を聞きながら、
「ときどきは食後すぐに
片付けられることもあるんですが、
ほとんどの場合は、食べ終えたら
ソファで横になってしまうんです」
といったことを言ってくれたならばチャンスです!

すぐさま、
「ときどきはできることがあると言うことですが、
そのときは何でできたんですか?」
とたずねるのです。

クライエントはそんな質問をされるとは
思っても見なかったでしょうが、
質問されたからには、
人は、そのときのことを懸命になって
思い出そうとします。

すると無意識にしまい込まれていた、
「うまくやるためのコツ」を
引きだすことができるのです。

例えば、
「そう言えば、見たい番組があるときは
早く片付けちゃおうと思って、
サッサと片付けられました」
といった具合です。

つまり、何か楽しみにしていることが
控えているときには、
その前に早く片付けを終わらせて
しまおうという気になることが伺えます。
これが問題解決のためのヒントになるのです。

クライエントは質問に答えることで、
うまくいったときのことを
言語化せざるをえません。
実はそれが、すぐに片付けるためのヒントに
気づくきっかになるというわけです。

人は、うまくいっていないときには、
どうしても「できない」ことばかりに目が向き、
たとえ「できたこと」があっても、
それは例外的なことだから
意味がないと勝手に判断してしまい、
スルーされてしまうのが普通
です。

しかし実際には、
たまたまであれ、ほんのわずかであれ、
この「できたこと」に目を向けることで
問題解決への糸口が見い出せるのです。

また、クライエントも
「できないこと」を話ながらも、
無意識レベルでは、「できたこと」にも
目を向けているからこそ、
ポロッと「時々はできるけど‥」
というようなことを口にしてしまうのです。

もっとも意識レベルでは、「できないこと」を
一生懸命に話そうとしているので、
思わず口走ってしまった
「できたこと」の片鱗などには
見向きもせず、そのまま「できないこと」を
話し続けるというのが一般的です。

だからこそ、クライエントが
つい口にしてしまった
「できたこと」の一端を聞き逃すことなく、
それについて詳しくたずねることが
重要になってくるのです。

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