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【第一部】企業の持続的成長とDEI〜エクイティとなめらかな未来
こんにちは。
セプテーニグループnote編集部の田中です。
セプテーニグループでは、サステナビリティ活動の重点テーマのひとつに「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」を掲げ、さまざまな取り組みを行っています。
2023年5月に、その取り組みの一環で「企業の持続的成長とDEI〜エクイティとなめらかな未来」ウェビナーを開催。電通グループCHROの谷本 美穂さんによる講演と、当社代表佐藤との対談を実施しました。
今回は、そのイベントレポートの前編として、第一部の谷本さんの講演レポートをお届けします。
ぜひご覧ください!
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谷本 美穂さん
慶應義塾大学卒業後、人材サービス会社を経て2000年GEに入社。
さまざまな産業において戦略人事、組織開発、リーダーシップ開発に携わり、一貫してグローバルリーダー育成とビジネスに寄り添い変革を起こす人事パートナーを志向してきた。日本と米国での勤務経験をもち、GEでは米国グローバル本社にて次世代人事リーダー育成プログラムの責任者をつとめた。
2016年よりGEジャパン株式会社 執行役員 人事部長。2018年にグーグル合同会社 執行役員 人事本部長。
2023年1月より株式会社電通グループ CHRO。
なぜDEIが組織に必要なのか
「DEIは組織になぜ必要だと思いますか?」
この問いかけから谷本さんの講演は始まりました。
「この質問に対して、自分の言葉で、自分がハラオチする形で答えられるようになってほしいなと思うし、みんなそれぞれに思いがあるんじゃないかなと思うんですけど」
と前置きした上でDEIの必要性について話が進みます。
「一つは多様性のメリットが事業に結びつくからです。
電通グループは、人の知恵、アイディアやクリエイティビティで成り立っている会社です。それらが掛け合わさることによってより新しく、良いアイディアが生まれ、それがクライアントへの提供価値になっています。
セプテーニグループでも多様性を活かしてこんな事業をやりたいというものがあると思います。」
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「もう一つは、成果につなげられるからです。
人は誰でも貢献したいと思っていると信じています。
これは私が長く人事をやってきた中で得たインサイトです。
会社に来て悪いことをしてやろうとか意地悪してやろうとか思って来る人はいないと思います。
自分が役に立ったり、自分のしたことが認められたり、ありがとうって言ってもらえたら嬉しい。企業はそのような貢献したいという思いを持っている人の集まりだと思っています。
善意をもって集まっている人たちの強みを活かすためには、それぞれの強みで貢献できるような風土を作ることが重要です。
どんな人でも何かしら強みがある。その強みを引き出してあげることができれば、全体の成果につながる。
これがDEIの一番大事な部分だと思っています。
なので、組織にとってDEIは、仲良くなろうということではなく、ひとりひとりの強みを発揮させることで成果につなげるという点で必要だと考えています。」
多様な力(強み)を同じ方向へ向かって出す
組織が成果を出すために必要不可欠なDEI。
谷本さんは会社として目に見える強みだけではなくて、ひとりひとりが持っている強みをDEIによって掛け合わせ、同じ方向へ向かって力を出すことができれば、成果につながり、会社はすごく成長していくと話を続けます。
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様々なバックグラウンドや考え方を持つ人が集まる多様な組織では、共通認識が少なく、同じ方向を向くことが難しいことも。
谷本さんはそのような場面では「意図的な働きかけ」が重要だと教えてくださりました。
「DEIをダンスパーティーに例えると、DEIのダイバーシティ(D)はダンスパーティーに多様な人、いろんな人を招待すること、インクルージョン(I)は一緒に踊ろうよと声をかけることだと説明しています。
つまりDEIには行動が必要だということなんですね。
具体的には、自分がやっていることをDEIというレンズで見て、アンコンシャス・バイアスがないか、またはどうしたらもっと多様な意見を取り入れていけるかを一つ一つ考えて行動に起こしていく。
このようなみなさんひとりひとりの行動がDEIに、そして組織風土につながっていくのです。」
多様性のあるチームをつくるには
多様性の高い組織はどのようにつくられるのでしょうか。
谷本さんはひとりひとりが発揮するリーダーシップが鍵になると話を続けます。
「私はかつて、リーダーシップというものは一部の人のみが持つ才能だと勘違いをしていました。
勉強する中で、リーダーシップとは自分からポジティブな影響、行動を起こすことだという考えに辿り着きました。
周りに対してポジティブな影響を与える。この行動はマネージャー、新入社員という役職に関係なくできると思います。
特に部下は上司を見ているので、上司がそういった行動を起こしているかどうかによって、そのチームが本当に多様性、心理的安全性のあるチームであるかが大きく左右されると思います。
なので、評価の場面で数字の業績だけではなく、リーダーシップを発揮しているかどうかについても合わせて評価するようにし、数字は上げていてもリーダーシップが低い人にはそれでは駄目だと徹底して本人にフィードバックをし改善を促していく。このサイクルを回すことが大事だと思います。」
「Who(誰と)」よりも「How(どのように)」
社員ひとりひとりがリーダーシップをとる重要性を学んだところで、多様性のある組織のもう1つの鍵である「心理的安全性」の話に移ります。
高いパフォーマンスを上げるチームを分析した結果、チームに誰がいるかということよりも、チームの人たちがどのように一緒に仕事をしているか、特に心理的安全性の有無がパフォーマンスに影響があったとのこと。
では、なぜ心理的安全性が組織のパフォーマンス向上につながるのでしょうか。
「心理的安全性とは本音で語り合えるということだと思います。
反対意見でも臆さず言える、リスクを恐れずに対話できるということです。
リスクを恐れずに対話できるチームは早く学習して、早く成長できます。
そういった点から心理的安全性はパフォーマンスの向上につながるものだと考えています。」
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谷本さんは心理的安全性を高めるためには、ひとりひとりの行動、特に上司の行動が重要だと話を続けます。
「心理的安全性を高めるために、対話、セッション、ピアフィードバックなど様々な仕組みがありますが、みなさんに一番伝えたいのは、ひとりひとりの行動なんだということ。特にリーダー、マネージャーの行動は大きな影響力があるということです。
心理的安全性が高いと思うチームをよく見ると、マネージャーの行動が分かります。」
心理的安全性を高めるためにマネージャー・リーダーがやっていること
Good Intention(いい意図)を持って集まっている仲間と信じる。
お互いの強みも弱みも認める。
自分も間違う、ことを認める。
聴く。
肯定する。感謝する。
相手の成長、成功を支援する。
あなたの意見が聞きたいです、と上司から言う。
失敗はない、学びだけ。
これらのようなひとりひとりのマネージャー、リーダーの日々の行動が組織の心理的安全性につながり、多様性を受け入れる風土をつくると谷本さんは続けます。
あなたはどのようなことを体現していきますか?
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そして講演は、谷本さんからセプテーニグループ社員のひとりひとりに向けた問いかけで締めくくられました。
「会社や組織のカルチャーは人の行動が作っていくもの。ひとりひとりの行動が組織風土につながっていきます。
カルチャーの共創にむけて、あなたはどのようなことを体現していきますか?」
後編につづく
(後編は谷本さんと佐藤さんの対談をお届けします。お楽しみに!)
#セプテーニグループ #ダイバーシティ#ダイバーシティアンドインクルージョン#イベントレポート