見出し画像

「一番強い武器ってなんですか」という呪文

画像1

El Shaddai

 エルシャダイ(イーノック)もきっと、一番いいのを頼んでるんだから一番いいのを聞くのは当然の権利である。
 私はひどくこういう(考えをしてるかわからないが)質問をしてくる生き物に嫌気が差す、なぜならGoogle先生の下位互換として労働力や知識を無償で提供させられるからだ。
 Warframeという神ゲー(少なくとも私にとっては神)でクランマスター(他ゲー的にはギルマスや団長とかまぁそれっぽい共同体のボス)をやっている私だが、多くの質問が寄せられる。
 ここ最近、というか私が昔から思っている事だが言語化したいと思う。

・質問が雑

 パワーワードで済ませたいところだが、多くの場合が質問の背景や状況あるいは展望が分からない。〜とはOOでしたか?といった確認ならまだ良いのだが、上記の「強い武器ってなんですか」は私の中で最悪の呪文だ。
 これが、ドラゴンクエストとかなら最強装備はコレみたいなのは言えるかもしれない(ただ先述の質問をするような奴はドラクエのナンバーがどれかも言わないことが多い)、しかしながらこのゲーム(Warframe)ではすべての値が強い完全上位互換の武器というものは存在しない。そのため、そんなものは存在しないんですよ〜と言いたくなる訳だ。

画像2

HUNTER×HUNTER 1巻

・プレイヤースキルとは操作力だけを指すのではない

 だが実際のところ長年やっているプレイヤーはだいたい武器が似てくる。いわゆる強武器というやつである。それが強い武器なんだからそれを指し示せばいいじゃないかという人も居ることだろう。たしかにこれが流行りのよく使われている強武器だよ、ということは可能だ。言ってることが理解できるような人ならそもそも質問してこないが……この強武器というのは強化や使用方法を分かって初めて強武器になる(このゲームを知らない人のために説明すると、武器の強化や様々な攻撃操作があり特定の組み合わせによるシナジーがあったりする)。
 そのためこのような質問をしてくるような人の多くは十分ゲームに精通していない事と強武器を活かすためのリソースやプレイスキルが足りない。なので私の場合は、基本的に強武器を教えない(どうしてもという事なら何人かのプロフ覗けば分かる事なので)。その代わり各個人のプロフィールから実現可能そうな武器を調べて提案をする。といっても操作性に難がある武器はオススメしないというくらいのアンチパターンがあるだけで別になんだって問題はない。どちらかといえば強化する素材のために開拓する(ストーリーを進める)ことが重要で前述のとおりいかに強武器でも強化が終わってなければ微妙な火力にしかならない。(もちろん識者の中にはこれが嘘だということが分かる人もいると思うが、結局そういう武器は調整される運命だし開拓やMODが揃ってない時点で武器に理由を求めるのは違うという事だ)
 玄人の方々は遠い昔に初心者を終わらせている事だろうから昔の不親切なゲームデザインを知っているためついつい親切にしてしまいそうになる。しかしながら、2桁周の惑星開拓作業で最近のゲームデザインの変化を感じるようになった私には現時点の不親切さについて疑問にしか思えない。ご存知の通りジャンクション及びマスタリーランクと呼ばれる一定練度のチェックシステムがプレイヤーの成長に大きく関与している。これらは自分の実力を上げたり機能の紹介したりすることで自分で気付くきっかけがかなり増えているのである。

・技術的負債の転嫁

 そのため質問時点まで無視してきたツケ(技術負債)は何処かで支払う必要がある。これは必要な壁でありしばしば洗礼的な問題である。とはいえ何かと忙しい現代にわざわざゲームの中まで努力したくないし、そうでなくても一番美味しいところだけ味わいたいという人がいるのは特段おかしなことではない。しかしそれは、回答者側にも言えることで別に人に教えたからと言って大きなメリットがあるわけでもなくただ時間が奪われるだけなのだ。もちろん、広い目線で見ればコミュニティの形成やナレッジの言語化及び活発な議論の場の醸成など多くの利点があるので私は極力回答しているがこのメリットの恩恵は見えない利益でしかないので多くの人には気づかれない。また、私も回答はするが先述のメリットを得るために質問側に再現性や前提、目的などを要求する。たとえば"何もわからない初心者"という枕詞を使った質問にはキレそうになる。要は調べる気がないのだから労力の無償提供になるからで、ゲーム初心者でもググることはまたゲームとは別の技術だからである。これは反論として小学2年生なのでググり方もわかりませーん、とか言う話ではないしゲームを導入して操作ができて文字を打てることは最低限期待できる(そうでなければそもそもプレイできてない)のでググる事もなんの問題もない、無いのはやる気だけである。

・助けられて当然と思っている

 世の中は等価交換でできている。そう鋼の錬金術師で習わなかっただろうか?世代が違えば履修していないかも知れない。早い話がエネルギー保存則だ。文系だからわかりませんとかいう教養レベルも投げてしまうクソには説明もしないggrks。質問の回答に使ったエネルギーは必ず還元すべきで、そうでなければ健全なコミュニティは形成できない。もちろん現実的には1割返ってくればいい方だが、この1割は質問段階から次に活かせるように考えている。なので前の項について言及しなくてもきちんとできている。逆に言えば雑な質問の時点で対価なんて踏み倒す前提の態度ととられてもおかしくないのである。一方的に相手の優しさに付け込んだ労働力の搾取、この言葉に尽きる。
 傲慢、怠惰、短気。きっと誰かがやってくれるはずという母親にいつまでも任せている甘えのツケでしかない。
実際、知らない人に道を聞かれたくらいなら答えるかもしれないがお金の稼ぎ方や古事記についての感想や意見を求められて答える人がいるだろうか。それがテレビ取材の腕章やポケットティッシュと一緒でなければ小一時間かかりそうな回答して助けてやる人のほうが限られているわけである。つまり自己開示もしていない質問に答える理由はないのだ。

画像3

賭博黙示録カイジ 1巻

・丁寧、敬語でまとめられた質問≠雑ではない質問

 "ではどうするべきなのか"というのを最初に持ってくるべきなのだろうが、どのみち読んでくれないのでお気持ちくらいは目に入るようにしたかった(この点については申し訳ないと思う)。しかしながら、きちんと背景を書くべきではないかと考え先に上項を記した。
 ここからがこの記事の本質部分だが雑ではない質問とは、漏れがない質問のことを指す。決して丁寧語がどうとか文法がどうとかいう話ではない。もちろん最低限意思疎通できる文章であって欲しいが質問に移れる程度なので8割位は能力自体に問題はなく備わっていると考える。絶望的にこれが出来ない人もいるが、そういう人はそもそも質問に移る疑問すら抱かないので問題ない。
 漏れがない質問というのが、実生活であまり体感したことがないかもしれない。当然ながら義務教育でそのようなことは習わないだろうし、大学の研究で詰められるのが一番早いのかもしれない。幼卒でそんなもの知らないという人はそういうものがあるという話だ、業務指示を文章でまとめるのは漏れないようにする目的がある。
 さて、だいたいこういう内容を書くと粒度をどうするかという話になる。私もこの粒度については明確な言語化は今も至れていない。粒度とはなにか?そんなものは調べてくれ。

・質問内容の粒度

 質問内容について、どこまで背景を書くかというのは画一的な手法は無い。なぜなら本当に簡単な質問から答えのない質問まで網羅できないからだ。しかし、今回の質問については決定権は最終的に質問者にあるためあくまで意見を聞いているという、実際には質問のていをした知識の共有でしかない。そのため粒度については決定したい内容に沿って決めれば困ることはない。
 上記の文章は非常に抽象的でわからない文章だと思うが、残念ながらこれ以上の言語化が難しいので君の手でやってくれ、私もやったんだから。
 粒度を意識した質問というのは非常に回答の負担も違う。例えば最悪の質問と言った「強い武器ってなんですか」は、最低限次のような注釈が欲しい。「(私はOOという武器を現在使っており、現時点でLv.xxの敵に手間取っていますがこのあたりで通用する)強い武器ってなんですか(、ゲームがあまり進めていないので素材的にOOまでで手に入る武器で考えています)」まぁこれでも結構イラっと来る内容だがまだ答える意味があると思うしその人なりに考えていると思う(何度も言うが、このような詳細が書けるならGoogleの検索窓に打ったほうがよっぽど早い)。

・検索したら負けだと……?

 話はそれるが、たまにゲームについてWikiは見たくないとか検索してまでやるのは違うとか人に聞いたほうが早いとかいうお気持ち表明をする人間がいる。個人の勝手なので自分で情報を探さないことについては自由にしてよいと思うが、その一方で人から聞くというのは問題ないというダブルスタンダードな人間や検証数の少ない自分なりの調査を証拠提示無くそういった背景も言わずに初心者に教えたりする害悪が発生したりする。まだ困らない内容の間違いなら毒にも薬にもならず気にしないが、そういうやつに限って恐ろしい内容を言っていたりするから怖い。せめてソースを提示できるようにするかある程度検証されている内容(あるいは追検証可能な状態)で情報は出す必要がある。もちろんこれは回答者側の心構えみたいなところだが、嘘を嘘と見抜けない人間もまたまずい訳で初心者こそ調べて知識を増やしていかなければならない。
 その回答者は(おそらく)嘘を教えているわけではないが、質問者から見れば全く当てにならない内容だったりリソースが多く必要でもっと優先すべき内容に割り当てられなかったりすることが多い。このあたりの齟齬は人類が言語を生み出してから現在に至るまで解決できておらず、解決のために努力が互いに求められている。

画像4

西村博之氏

・ご注文は"ggrks/半年ROMれ"ですか?

 怒り駆動で文章並べてみたので、ところどころ文章がループしている自覚がありますが結論からいえばお前も回答者になるんだよォ!ってところに落ち着くと思います、やれば言っている事が分かると思うので。もっと本質的にはggrksや半年ROMれくらいの数十年前に作られた内容に収束すると思いますが、最近の時流をみるに老害と処されないように上述のような小言ではなく環境を整えるのがクラマス(ボス)の役割なのかなと思っています。
 とはいえ、私もこれを生業にしているわけじゃないので楽したいのが本音で可能なら自動返信Q&A Botでやりたいのよなぁって思ったり思わなかったり。技術的には単独短期の導入はそこまで面倒ではないですが長期保守かつサーバーレスでやろうと思うとちょっとだるかったり……技術で何とかするのが私としては最適解だと思っていますが、現実的には運用でカバーという忸怩たる思いでメンバーの性善説に頼ってお願いするしかない。
 願わくばこの文章が学びになればと思う。

・ところでなんでこんな文章を作ったか

 ゲームの話で進めていますが、そもそもクランを始めたのは管理業務やるのにちょっとテストでやってみてぇなという極めてビジネス的な目的でした。そのため、どちらかというと再現性が高い保守や明確などシステム的なパターンを前面にし、いわゆる仲良しスタイルとは異なる極めてドライに作りこみました。これは私の引退の将来を考えての永続性を考えた構成で、ネットゲームの常であるサービス終了と相反するものではあるものの可能な限り永続できないかと考えた次第です。しかし、このシステムは相手が意思疎通可能な場合でこれからクロスプラットフォーム化+スマホ対応(要は客層拡大)に伴い意思疎通が出来ないばかりか悪意のない害が増える可能性が非常に高いため、事前に私の考え方を文章化して整理しました。(気持ちの棚卸)
 内容自体はゲームではなく業務や類似する内容に置き換えてもらえば話として成り立つのかなと思います。そういった意味で一般公開もついでに実施となりました。

・それでも私は

 体調の不調続きや先行きの不安からメンタル的につらいですが、私は結局このWarframeを続けていくんだろうなと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

せとらのひと
無人化システム組みてぇ…無人化システム組みたくない?