今年は選挙の年。政治家にどんどん陳情をしよう
「政治家って利権ばかりで、庶民のことなんか考えてないでしょう」という紋切り型の意見がメディアでもよく出てきます。
ぼくは仕事柄、政治家に会う機会が多く、知り合いもたくさんいます。で、そういう話を聞くとちょっと違うなあと。
たしかに多くの場合、政治家に一番影響力があるのは票をもっている人です。二番目はお金を持っている人。だから経済団体のトップとか医師会の会長とか組織の偉い人の意見を、政治家はよく聞いているんですよね。
実際、経済団体にしても、医師会にしても、政治家のために人も金も使って、よく動くんですよ。選挙のときにポスターをはったり、党からノルマを課せられている党員確保のための党費を払ったり。
では、彼らがなぜ一生懸命かというと、別に政治が好きだからではないです。企業は監督官庁の規制や法令、あるいは公共事業の予算など、経営に直結することが多い。
医師会はいうまでもなく、国民皆健康保険制度という「サービスの値段はすべてお国が決める」という事実上の社会主義体制でやっています。いずれも政治判断が自分たちの生活を左右するんです。
われわれも一生懸命、選挙運動をしたら、政治家に影響力を与えられるかというと、そのとおりでしょう。でも実際、みんな仕事やら子育てやらで忙しいのに、ポスターを貼ったり、演説会にいく暇ないですよね。寄付するお金もないですよね。
政治家も材料を探しています
では、われわれは何をすべきか。
それは、会いにいくべきなんですよね。
実は政治家のほとんどは何か世の中に役に立ちたいと思っている人です。親の地盤をそのまま受け継いだ二世、三世議員だって、いつまでも親のおかげといわれているのはしゃくなので、「何かをなしとげて、認められたい」とどこかで思っていたりします。
しかし、意外とその材料がないんですよね。彼らの普段は役所との仕事やら、国会やら、選挙区まわりやらで忙しくて、世の中の課題を知ったり、問題を抱えている人の話を聞いている時間がない。だから、企業経営者や医師会、あるいは地方議員の訴えを聞いて、それを政策にして法案にしたりしている。
でも、そういう政策ってオリジナリティがないですよね。自分のカラーが出せない。やはり政治家は「何者かでありたい」と思っている人が多いので、なにか材料を探しているんです。
だから、直接会いにいって、自分たちの課題と、それを解決するためにどうすべきかという話をすると、よく聞いてくれます。特に、こんな仕組みがああればというところまで具体的に説明すると、「それはやってよう」なんて向こうが乗り気になって、意外と動くこともあるんです。
ちなみに、政治献金をしていないからといって遠慮する必要はありません。だっていまは政党助成金という税金が、政治家にはわたっているんですから。
「使ってなんぼ」です
政治家は、政策を探しています。課題を探しています。そして、意外とそれを持ってくる人が少ないんですよね。だから、積極的に意見をいうようにすれば、声は届きます。それって昔からありますよね。そう、ようするに「陳情」なんです。
昔の陳情と違って、いまは直に会わなくても、メールで届けるだけでも、政治家は見ています。ツィッター でもいいです。大臣など忙しい仕事でなければ、選挙民の声は気になるので、建設的な意見は目を通している人が多いです。
もちろん、政治家にもっと広く声を聞く工夫をしてほしい、という意見もわかります。だけど、届けるための努力も必要ですよね。それが政治参加ということです。
だから、「陳情」をしましょう。会いに行きましょう。意見やアドバイスをしましょう。
政治家は「使ってなんぼ」です。
え、で耳を傾けない場合はどうしたらいいか?そのために選挙があるんです。投票の判断基準ができてラッキーです。
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