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【女湯事件ボ08】小学生、銭湯の醍醐味を解く

東京都品川区のとある銭湯。

湯上がりに1人ホクホクしていたら、
何やら賑やか。

「さむさむ寒~!」
と幼い声。

姿を見ると、三兄弟で、
長女、その長男、次女といった
お子さまだけのチームがご入場。
恐らく全員が小学生の年頃だ。

(もしかしたら従姉妹とかかも?)

風呂道具をカゴから確認し、
そのテキパキさは関心させられる。

着替えながら長女(小5くらい)が言った。
「今日は髪洗う〜?」
「うーん」
弟妹の2人は迷っている。
「私たちは今日、お風呂に浸かりにきたのであって。  
 髪を洗わなくていいと思うの。」

マジか、長女。
ちょっと大人びた口調。
・・・お風呂に浸かりにきた、ですと?
もう銭湯の湯に浸かるたしなみを心得ていたか。

どうやら三兄弟は、洗髪をしないと決めたようで、
シャンプーやリンスをロッカーにしまった。

私は 時々銭湯好きではない知人とも銭湯に行くが、
「銭湯に来たので、髪の毛を洗わないともったいない気がする」
といった声を聞く事がある。
恐らく銭湯に用事を済ます様な感覚で行くと
「髪も洗わなきゃ」と思う
のではないだろうか。

でも実際、洗髪してもいいし、浴槽だけを楽しんだっていい。
選択肢の幅があるし、不動の醍醐味は体を洗い「お風呂に浸かる」事だ。
この小学生3人組は、既にしてそれを知っていた。

銭湯の子どもたち3人


背筋ピンとして、浴室のドアを開ける姿をコッソリ見送った。

多分この3兄弟は、日常的に銭湯に通っているのだろう。
そして、きっと、どこかで・誰かに、
銭湯の愉しみ方を教えてもらってきたんだ。

銭湯の英才教育の賜物だな。

これから、浴室でどんな風に湯を満喫するのか、
一緒にいてみたかった気もした。
そんなすがすがしい景色だった。



やすこ。

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