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デシリットル

そうだよな。分かる、分かるぞ。

小学2年生姪っ子、勉強ができない

 ここ最近姪っ子に勉強を教える事が多くなってきました。私の家系で仮にも大学を卒業している人間が、私と義兄しかいないもので。

 学歴=人に教えるのが上手って図式を作って押し付けやすいんだろうなって思うんです。

 でもちょっと待って欲しい。名選手名監督に非ずという言葉がある通り、名選手名コーチに非ずも往々にしてよく聞く話じゃないですか。
 スポーツを良く追いかける人ならどの競技でも聞いたことはあるはず。

才能のおはなし

 それってきっとですけど、自分の感覚でやってこれた人たちだからなんですよね。

 人はそれを才能と呼びます。それを言うのであれば私は子どもの頃は勉強の才能があったのだと思う。
 大抵の答案用紙は100点の文字しか無い。ケアレスミスはあっても、大きく外すことはしない。理解力はあった方だと思います。

 でも一番は継続力と探究心を交互に繰り返し、連続して維持し続けられるのかだと思うんです。

 才能があると言われる人は、それの繰り返しが上手いんだと思っています。単なる反復練習ではなく、先への探究心。これを推進力に変えられるか否かは重要なんじゃないかなと。


姪っ子のお気に入り「デシリットル」

 話を戻して、いま姪っ子は、水のかさの単位のお勉強をしています。

 今日もLINE通話でクソ疲れてるのにオンライン家庭教師をさせられました。

1️⃣1リットルのマスで5回、1デシリットルのマスで7回バケツに水をくみました。バケツには今どのくらい水が入っているでしょうか?

A.5.7㍑。小学2年生はまだ小数点を学ばないので、より正確に記すならば5リットル7デシリットルです。

姪っ子アンサー:5デシリットル7デシリットル!!!

私:いやいや、1リットルのマスで5回入れたんだよ。まずそれでいくつになる?

姪っ子アンサー:5デシリットル!!!

私:お、おう。みん(姪っ子の仮称)は1リットルがなんデシリットルかは分かってるか?

姪っ子アンサー:うんとね、1デシリットル!!!

私:デシリットルが、好きなんやな(諦観)

濁点ってカッコいいよね

 分かる。やっぱりね、幼少期って濁点に対する憧れって強いんですよ。
いや私なんかは未だに強いな。
 大学の第二外国語の選択だって、ベルクカッツェ(ガッチャマンのキャラクター)響きが格好良いからドイツ語選んだっていう馬鹿ですからね。

 ノイシュバンシュタイン城だってカッコいいじゃないですか。

 だから姪っ子がデシリットルに強く惹かれる気持ちは凄く良く分かるんです。

違う違う、問題はそこじゃない

 問題を読んでいて強く思ったのはですね、問題文や教育がそもそも現代社会に即して無いんですよ。

 マスってなんだよ!!!

 ってなるんじゃないかと思うんですよ小学2年生は。

 私は当時から賢しい子供だった自負はそれなりにあるので、マスというものを知っていたのかもしれないし、祖母なんかにマスって何?と聞く探究心と、実物を見せてもらえる環境があったのかもしれないし、知らないなら知らないで飛ばして読む力があったんでしょうね。

 でも今の子はどう足掻いてもマスに出会えるチャンスはほぼノーチャンスなんですよ。

 ペットボトルの方がよっぽど触れる機会が多いのが現代社会です。いきなり1/1000の概念を頭に入れようとすると大変と考えて、昔の人はデシリットルから教えることにしたのかもしれませんが、現代社会においてはミリリットルの方が馴染み深いと思うんですよね。

 そもそも過去に遡ってもデシリットルって使う機会あったんだろうか・・・?
 そう思って調べてみたら、なるほどというものがありました。

「1Lます」いっぱいに入れた水は、10個の「1dLます」にぴったり分けることができます。逆に、「1Lます」には、10個分の「1dLます」の水がちょうど入ります。このような実習によって、小学2年生の生徒たちは「1L=10dL」であることを、体験を通して学ぶことができます。
この実習によって、単位という概念や、単位どうしの関係が理解できるよう、dLという単位をあえて教科書に登場させたのではないかと考えられます。
一方、dLより小さい単位にmL(ミリリットル)があり、「1L=1000mL」です。上記のような実習を行うことを想定したときに、「1mLます」を1000個用意するのは現実的ではありません。だから、mLの前にdLを教えるカリキュラムになっているのではないかと考えます。

日常で使わない“デシリットル”が、算数の教科書に頻出の理由とは?
小杉拓也 ダイヤモンド・オンライン

 なるほど実習で見せる為にはそうかもしれません。・・・?そ、そうかな?
 実習で見せるにしたって、今の時代ペットボトルで表現したほうが絶対的に理解しやすいと思うんだけどな・・・。

 そもそも分数や小数点の理解を深める為に、段階を踏んでデシやミリは教えていくのだと思うんだけど、逆じゃどうして駄目なんだろう?小数点から教えたって別に良いやん、と思ってしまうけど我慢しながら教えていました。


 こうしたところに教育の停滞を感じますよね。知識のアップデートをしないといいますか。
 学校の先生を責めているんではないですよ。教科書を作っている大人たちに対する提言です。

 大人ちゃんたちよ、マスよりも現代はペットボトルだよ。

 お願いしますからそこを改訂してください。でないとうちの姪っ子は、一生カッコいい響きの単語に囚われて生きていく香ばしい子になってしまう!

 3年生になって社会科がはじまったら、覚醒しそうですけどね、そういう子って。

 カノッサの屈辱に萌えられるようになったら、もうコチラがわへようこそって感じするもの。

 大丈夫だ姪っ子よ。知識欲はパズルのようなものだから、分かるものが増えていけば増えていくほど分からなかったものも分かるようになるし、わかりたいと思うようになるんだよ。まずは好きなものを見つけなさい。
 そして集中力と国語力だけは維持しておきましょう。そうすればきっと大丈夫だから。

 勉強が、好きな人はね・・・?


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