うれしいような、不安なような

今日、利用者さんの訪問を実施しました。

要介護5ですが、自分で車いす自走をされます。しかし、移乗動作が今まで立位保持を行い、ゆっくりと行っていましたができにくくなりました。

その上で、スライディングボードを提案して、必死でケアマネ、ヘルパー、福祉用具などと考え、実施できるところまで行きそうでした。

円背が強く、左のやや麻痺があり、うまくスライディングボードを使えない。取っ手のところにひもを結んでやると「いいね~」と座骨結節まで入れられて、しっかりと見守りで移乗できました。

今後、サービスを移乗も含めて使っておられるので、移乗動作がベッドから車いすだけでも安全に行ければ、自費がかからないでうまく在宅生活ができそうです。

円背があり、L字柵では、腕が痛いと話されるので、ベストポジションバーにジュピターを使用して設置しました。

「これならいける!」

「これを練習していったら行けますね、来週くるんでお願いします。」

夕方に、ケアマネから着信あり。

「あの~」「訪問終わられてから、ベッドで過ごされていませよね」

「え?」「まさか」

自分一人で移乗されていました。今まで、何度か立位で移乗して転倒されて多発的に圧迫骨折をされています。

「転倒しましたか?」

「いえいえ、家におじゃましたら座っておられたんで、先生、ベッドに移乗したまま帰られたのかなあと」

「自信をつけはったんですね、う~ん、それはよかったですが(笑)」と電話口からケアマネさん。

不幸中の幸い?

何だろうこの感じ、実際に移乗できたことはすばらしい、でも、転倒した可能性もある。来週行った時には、おそらく「先生、自分で行けたよ」という笑顔で迎えらえる気がする。

評価、予後予測、そして、提案、うまく行っているかもしれないけど、その人のモチベーションが上がりすぎていること。でも、モチベーションが上がった状態だからすばらしい力を発揮したこと。

うれしいような、不安なような、複雑な心境でした。

さあ、来週、まずは笑顔で、でも、まだ早いかもと一緒に考えよう。

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