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フェルスタッペン、アゼルバイジャンでの不調な週末

マックス・フェルスタッペンにとって、バクーでのアゼルバイジャングランプリはイタリアに引き続き、不調な週末でした。これは、予選直前に行ったセッティングの変更が原因で、彼自身もこの選択がパフォーマンスに大きく影響したと認めています。通常は競争力を発揮するフェルスタッペンですが、今回のレースでは思い通りの結果を出すことができませんでした。

ペレスの躍進とフェルスタッペンの苦戦

このグランプリで際立ったのは、フェルスタッペンのチームメイトであるセルジオ・ペレスの快進撃でした。ペレスは18か月ぶりにベストレースを披露し、予選でもレースでもフェルスタッペンを圧倒しました。通常であれば、フェルスタッペンが主導権を握るはずの週末でしたが、バクーではその様子が一変し、ペレスが主役となったのです。

フェルスタッペンの不調は、彼がレッドブルで支配的なパフォーマンスを見せてきた中でも、珍しい出来事でした。これはマシンのバランスの問題が影響し、結果的にペレスがレースで有利に働く状況を作り出しました。

セッティングの選択ミス

フェルスタッペンがバクーで苦戦した原因は、彼が予選直前に行ったセットアップの変更にあります。フェルスタッペンは、「Q1でコースに出た瞬間から、車が後退してしまったように感じた」と彼は土曜日の予選後に語りました。

「いくつか変更を加えたが、車は非常に予測不可能で運転が難しくなった」と述べ、セットアップ変更が車を不安定にし、オーバーステアやリアのバウンドに苦しんだことを明かしています。特にストリートサーキットでこれらの問題が発生すると、マシンの扱いが難しくなり、競争力を大きく削がれます。

「予選に向けて行った変更が、結局は代償となった」とフェルスタッペンは説明しました。「その変更が運転を非常に難しくしてしまった」

「車が跳ね回り、低速コーナーではタイヤが路面から浮いてしまった。接地感がないと、とても難しい」

予選から決定していたレースでの苦戦

フェルスタッペンは、予選の段階で苦戦を感じていましたが、パルクフェルメ規則により、予選後に大幅なセットアップ変更ができなかったため、レースでも同じセッティングで挑むしかありませんでした。これは、彼にとって非常に不利な条件で、特にサスペンションの問題が解決できないままレースに臨むことになりました。

レース中の困難

レースでは、スタートでジョージ・ラッセルを抜いて5位に浮上しましたが、その後のペースは伸び悩みました。特にフェラーリのカルロス・サインツに追いつけず、「車に全くグリップがない」とチームラジオで嘆く場面もありました。さらに、唯一のピットストップ後もハードタイヤでランド・ノリスを抜けず、逆にラッセルに追い抜かれるなど、苦戦は続きました。

セットアップの教訓と今後のレース

フェルスタッペンは、フロアデザインの変更によって車の挙動が改善されたため、週末全体が完全な失敗ではなかったと指摘しています。これはレッドブルの今後のパフォーマンスにとっても好材料です。

「車全体の挙動は改善されていたが、さらに良くしようとして行った変更が裏目に出た」と彼は語る。「車との一体感はあったが、その変更で失ってしまった」

彼はこの失敗から得られた教訓を今後のレースに活かすとしています。特にフロアデザインの改善が見られたことは、チームにとって好材料であり、今後のレースでのパフォーマンス向上に期待が寄せられます。

チームの見解とシンガポールへの展望

チーム代表のクリスチャン・ホーナーも、フェルスタッペンのセットアップの選択がタイヤの摩耗に悪影響を及ぼしたことを指摘しています。特にハードタイヤでのパフォーマンス低下が、今回の結果に大きく影響したと述べています。

「チェコの車は非常に速かったが、マックスの車には何かを加えすぎてしまい、それがタイヤに影響を与えた」とホーナーは語りました。

フェルスタッペンは、次戦シンガポールグランプリに向けて、今回の問題を解決し、今後のレースに向けてポイントを積み重ねる必要があります。チーム全体が今回の失敗を踏まえ、シーズン後半に向けて改善を図ることが重要です。

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