第8回展示会準備ーこんな感じで整理してパネル作り…遅々として進まぬが、帳尻はいつも合わせてきました
展示会に出すものが固まると、次は難関のパネル作りです。まずは項目別にどんな感じに展示するかを、実際にパネルに並べながら検討。この段階であきらめたり増やしたり、さまざまに悩んでいきます。
そして今回の展示、やはり天皇絡みからスタートすることになりました。結局、大日本帝国の基礎は天皇制であり、天皇への忠義孝行がすべての基本になっているんですね。それがまず根底にあることから、どんなコミカルなはがきやポスター、おもちゃであっても、天皇の御楯となることを自然に植えつけていく大きな仕掛けの構成要素になっていくと思うのです。そこで、最初のパネルには教育勅語の写し、奉安殿、を入れることにしました。
東筑摩郡今井村は、現在の長野県松本市です。昭和8(1933)年建立とあって、意外に遅いと思われるかと思いますが、昭和初期の建設が長野県では多いようです。それまでも火災で御真影と教育勅語を護るため火炎に飛び込んで殉職する校長や責任を取って自殺に追い込まれる校長が出るなどしていたため、徐々に奉安殿に移す動きがでてきました。さらに長野県では御真影盗難事件があり、御真影と引き換えに金品を得ようとの狙いで未遂になるのですが、昭和初期にそんな事件がいくつか続いたのがはずみになったようです。
こうした天皇への忠義孝行が基本ですから、例えば七五三のお参りに軍服姿をするのも、まあ、十分許されるという訳ですね。
そして子ども向けに、天皇直属の軍隊への敬意や軍隊になることを前提とするはがきなどの付録、商品が出てくるのも必然です。これは、相互に作用しあい、天皇への忠義孝行を形にしていくのです。
軍隊を題材にしたポスターや広告も、もちろん第一は目を引き売り上げを伸ばすことなのでしょうが、社会環境すべてにこうしたものが普通にあればどうでしょう。
そして、教育勅語の精神を柱とした教育が施されるのですから、世の中を疑う目、批判精神など育つはずもなく、ひたすら上下関係の忠義孝行の社会が形成されていくのです。このころの精神性は、今も根強く残っているのではないでしょうか。
こんな調子で、資料をパネル化するわけですが、そのためにはこの上にパネルに合わせた説明文、個々の展示品の説明文を作らないといけないわけです。これを全部ひとりでやっていくしかないのです。自分の頭の中で組立、ばらし、また組立、とやってますから。いかんせん、仕事が休み前の追い込みで多忙なので何重にも大変なのですが、まあ、いつもそんな調子でやってきましたから、今回も開会日にはきちんとお迎えできることを誓います!
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