戦後80年の今年2025年8月、第9回展示会「戦前80年展」を開催します!
今年も恒例の展示会を8月14日から8月20日まで、長野市のギャラリー82で開催します。信州戦争資料センターと八十二文化財団の主催。今回は戦後80年の年として騒がれそうな時期ですが、そもそも、その戦争が終わるまでのことを承知せずに80年とか言っても、それは意味が薄いのではと思い、思い切って太平洋戦争敗戦の1945年9月2日に至るまでの80年間を概観してみようという展示を試みることとしました。
題して「戦前80年展」。サブタイトルとして「戦後80年の今、あえて戦前80年(ぐらい)を見る」、と本日、事務局長と相談のうえ、決定しました。つまり、今から160年ぐらい前の歴史資料から、80年ぐらい前までを展示、解説する予定です。例えばこちら、憲法発布のために皇居を出る天皇の馬車。空の赤いのは、おそらく瑞雲を示しているのでしょう。あったかどうかではなく、権威付けの工夫ですね。令和になったときに虹がとか騒いで何か凄い事が起きたかのように思わせるような、あれです。
もちろん、長野県の歴史資料も取り揃えておきます。こちら、まさに160年前、慶応元年(1865年)に作られた豪農のまな板です。歴史とは、こうした品からでも伝わること、ぜひ会場でご確認ください。
そして、日本だけではなく、世界の潮流の中での日本の歩みが分かるようにし、どこから日本が世界の孤児となっていき、それからどんな変貌を遂げたかを感じてもらえるような構成とさせていただきます。こちら、1929(昭和4)年の不戦条約発効を伝える新聞です。
そしてせっかくこういう機会が紀元2600年記念にと計画されたのですが、日中戦争優先で資材が配分されないので競技場も作れない、陸上選手のスパイクや砲丸は製造中止という中、ご存じのように中止となった幻の五輪関連資料も、戦争の影響を伝えるには欠かせないと思います。
そして、世相はどんどん、軍隊の力を活用していきますが、やがて使われ、消耗していくばかりとなるのです。
第9回展示会「戦前80年展」
会場 ギャラリー82(JR長野駅徒歩10分ほど。駐車場あり)
会期 2025年8月14日ー20日、午前9時半ー午後5時(最終日午後3時)
主催・信州戦争資料センター、公益財団法人八十二文化財団
入場無料(観覧者は駐車券3時間無料)
また、信州戦争資料センターカタログ「S12ーS20」、「牧内兵長回想録」、ポスターの販売を展示会場入り口付近で行います。中の人は期間中、できる限り会場に滞在し、ご質問や雑談に応じさせていただきます。過去の展示会については、noteのマガジンにまとめましたので、ご覧ください。過去に展示したもの、今まで出したことのないもの、新たに入手したもの、さまざまな「モノ」たちから、いかにして80年をかけて敗戦に至ったか、どこから間違っていったか、そして新たに今後の80年を戦争をせず乗り切るための、ヒントを感じていただきたく思います。なお、多くの方からnoteのチップでご支援いただいており、今回の展示会に有効に使わせていただきます。この場で御礼申し上げます。
また、展示関連品はこれまでも実は少しづつnoteの記事にしてきましたが、今後も随時紹介させていただきますので、イメージを膨らませていただければ幸いです。多くの方と出会えるのを、楽しみにしております。