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世界に後れを取っている民間航空路拡張によって航空産業発展を目指し、初の募金付き切手「愛国切手」を逓信省が発行
1937年6月1日、日本で最初の募金付き「愛国切手」と「愛国葉書」が発売されました。愛国切手は表題写真の通りで3種類、2銭、3銭、4銭の各切手に2銭の募金を加えたもので、売価が4銭、5銭、6銭となりました。デザインは北アルプスを背景として飛行するダグラスDC2型輸送機で、長野県関連ともいえます。
「愛国葉書」は下写真の通りで、2銭のはがきに3銭の募金付きで5銭となります。下半分に富士山の絵、切手部分は金鵄をデザインしたものでした。募金は民間飛行場建設支援に当てました。
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これら愛国切手や愛国葉書は、イベントなどでも販売され、長野県でも、日中戦争勃発後の1938(昭和13)年10月18日の長野県長野市での長野飛行場完成式典に出張して販売しています。
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また、名古屋逓信局では標語入りの記念スタンプ台紙を作成。富士山の前をダグラスDC2が飛行している合体デザイン。こちら、長野県招魂社遷座臨時大祭に長野県松本市の郵便局で1938年11月6日に販売したもの。本来は3枚の愛国切手を貼るマス目がありますが、残念ながら、購入者は募金なしの2銭切手1枚で済ませてしまいました。
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下写真は、この年の4月9日に東京ーロンドン間の連絡飛行に世界で初めて成功した朝日新聞社機「神風号」の飛行に合わせて発行したPR用はがきで、神風号の裏面がはがきとなっています。残り半分は愛国切手と愛国葉書の発行趣旨、裏面に世界の飛行場数と民間航空路の比較を掲載し、協力を呼びかけるチラシになっていました。なお、神風号の飯沼正明飛行士は長野県南穂高村(現・安曇野市)出身でした。
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一方、愛国切手発売後間もなく始まった日中戦争のあおりで、長野飛行場は定期航空が一度もないまま軍用に。そして太平洋戦争勃発1年にも募金付き切手が発売されますが、明らかに戦費調達が狙いでした。
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現代でも、寄付金付き切手は販売されています。せっかくの寄付、戦争という破壊行為ではなく、生産的、人道的行為として役立てていける時代を継続していきたいものです。
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