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学校の危機管理 第1回 学校事故と法的責任

校長、教頭、主幹教諭は学校での事件・事故と法的責任についての基本的な事項について理解しておかなければなりません。本来は学校の教職員全員が理解しておく内容であり、初任者研修などでも取り扱っていますが、正確に理解している先生は少ないと思われます。

 学校の管理下において、事件・事故が発生した場合、以下の3つの責任が問われることになります
◯民事責任 ◯刑事責任 ◯行政上の責任
民事責任

 被害者への損害賠償責任です。一般的には教師には国家賠償法が適用され、教師個人が損害賠償の対象となることは極めて少ないです。故意・過失に関わらず設置者である市町村教育委員会や都道府県が訴訟の対象となります。教員に重大な過失がある場合は教師個人が対象となる場合もあります。

 ○刑事責任

 事故や事件を引き起こした者への刑罰です。教師には業務上過失致傷などが問われることがあります。具体的には体罰、いじめ自殺、熱中症死亡事故などが過去に起きています。

 ○行政上の責任

 教職員の非違行為に対する懲戒処分です。非違行為の内容によって、免職・退職・停職・減給・戒告・訓告等が課せられます。

   基本的には上述の3点の責任ですが、最近では道義的責任もクローズアップされてきました。法的には問題ないが、公立学校としてどうなのか?子どもの教育に直接携わる者としてどうなの?などと、具体的には、授業中の教師の言葉使いや外来者への応対や服装などの外見なども含めて、法では規定していないが社会性の観点から問われることがあるようです。

次回は教師の安全配慮義務と授業について示します。

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