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就職と人生

20代後半からクォーターライフクライシスに陥り、キャリアを中心に人生に悩んでいた。現在妊娠中だがまだその渦の中。そんな私を支えてくれているのは、就職時に決めた就職先の選定方法と自分と向き合った時間だ。
そのときの考え方を思い出して書いておこうと思う。ただの自分語りなので、暇つぶしに見てほしい。

簡潔に話せば私の場合、就職先へ求めるものはある程度の給与水準と女性の働き方への理解。あとは事務系業務への異動が可能であり、企業理念に共感できるかだ。みんな似たようなものなのかもしれない。ただ、”なんとなく”ではない自分の軸(理由)があることで、発言の一つ一つに説得力や熱意が付いてくると思う。

以降は私の就職先を決めるに至った背景となる。
母子家庭の田舎で育った私は、本来大学に行けるような環境ではなかった。中学生の頃は無理を言って塾に通わせてもらったが、高校生にもなると経済的に難しかった。
それでも地域有数の大学を受験出来るよう勉強していた。ただ、国立・公立はレベルが高く、私立は極端に大学の偏差値が下がってしまうので、モチベーションを保つのに苦労していた。

結局、高校の奨学金と卒業前に貯めたバイト代を大学の入学金・諸生活費に充て、大学でも奨学金を借りることで、都内の中堅大学に入学することにした。都内に出るのは経済的にも勇気のいる決断だったが、少しでも名の通る大学に入学することで、安定した就職先を見つけ、この借金を返しつつ、自分にもある程度自由にお金を使えるようになりたかった。母親にも安心してもらいたかった。
ちなみに私の育った地元は公務員志向が強く、次いで銀行に就職するのが成功だと言われていた。私は銀行や市役所などの諸手続きが苦手だったため、その案はすぐに却下となった。何よりも地元特有の友だちの友だちと知り合うみたいな環境下からも一度抜け出したかった。

大学は自由だった。一方で、足りない学費を稼ぐことの方が何倍も大変だった。最終的には平日はカフェやレストランの賄いつきバイト、土日は派遣といった形で働くのに落ち着いたが、単位を取りながら両立するのは難しいところもあった。
私がこの生活リズムの中で理解したのは、人よりも体力が無いことだった。会場設営などの重労働や長時間ラインに立ち続ける工場の仕事、変則的な勤務時間の仕事などもいくつか経験したが、どれも辛い仕事で続かなかった。友人は「やることが簡単で楽だ」と言っていたが、私には向いておらず体調を崩してしまうこともあった。そこで、体力勝負の職種には就いても続かないだろうと思った。

その後は大学3年生から、早期選考に繋がるインターンシップに複数参加し(大学名のお陰か受かることが出来た)、ある程度戦略的に希望の職種を絞り込んでいった。私の場合は消去法で、奨学金が返せる・家賃補助がある・結婚をして子どもが出来ても休みやすい、離婚をしても一人くらい養っていける……この条件が満たせそうな会社の説明会にしらみ潰しに参加した。その中でさらに企業理念に共感できる企業を上から順に並べ、上位企業のOB訪問をして、入社後にギャップがないかや、自分の大学からの就職者数などの実績も調べていった。
一方で関心のない会社の説明会にも積極的に参加し、なぜ行きたくないのかが自分の頭の中で整理できるようにしていった。例えばITやデジタル関連の仕事は、私にはあまり魅力を感じなかった。またある会社の女性管理職は、子育てをしながら責任のある仕事を任されていることを話してくれた。かっこいい、憧れると思ったが、その話ぶりがかなり前のめりで、無理をしているように感じられ、聞いている自分が辛くなってしまったりもした。気になっている業界であっても、会社のパンフレットが文字だらけで見にくい会社は、役所仕事が想起されてダメだった。
ここまで知ることが出来てはじめて、私が最重要視している生活に関わる条件だけでなく、社風などのぼんやりしていた希望の解像度も上がってきたと思う。
そしてここまでの計画を遂行し、私は自分の将来をバックキャストで考え、計画を実行する力があるかもしれないと気付いた。就活の強みとして説明したところでもある。

結果私は、運良く希望条件の会社に入社出来た。ただ入社はスタートであり、最初の配属で田舎に飛ばされたり、希望の職種に就いてすぐにチームが解体したり、コロナ禍に出社を強制されられたり、上司からパワハラに遭ったり……なかなか思うようにいかないことも多いまま新卒から同じ会社に勤めている。(転職活動も行っていたが、妊娠したため中断した)
それでも出産を控えた今、虐げられることなく休みに入れる環境を与えてくれる会社や風土に感謝しているし、当時の自分の頑張りも褒めてあげたいと思っている。

子どもを産んだらこれからどうなるんだろう。家庭と仕事と何をどれだけ大切にしたくなるのか、自分の考えが変わっていくのも不安だが、少し楽しみにも思う。

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