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NEW DAYS ★ プチDAYS★ブルックリン物語

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ブルックリン在住の大江千里が日々の暮らしを綴る6000字前後の読み応えあるエッセイ。「NEW DAYS」も仲間になりました。単行本『ブルックリンでジヤズを耕す 52歳からのひとり…
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2023年11月の記事一覧

プチDAYS 「センリーマンリー1泊2日温泉」

札幌、ブルーノート、コットンクラブのトリオツアーと、年明けてからまわる名古屋、芦屋、横浜のソロツアー。トリオが終わったらアメリカに帰国し、ブルックリンのアパートで数時間寝てまたすぐ日本に戻るスケジュールを立てていた。 日が近づくにつれ、このアナザースカイ的旅が身体に負担が大きすぎるのではないかと思い直し、ふたつのツアーをくっつけることにした。両方のツアーのプロデユーサーに旅費の負担を話し合ってもらうことにして、航空チケットも代理店に一旦バラして取り直してもらった。 並行し

¥300

プチDAYS 「唇よ、熱く君を語れ!」

ここ数日外食が続いている。一足先にやってきた年末行事だ。 一昨日は読み聞かせCD「うんとこしょどっこいしょ」を一緒に作ったレーベルdirectorがNYにやってきた。大きなアニコンに日本のアーティストが出演するためにその帯同でNYCにやってきてたのだという。 彼は2007年LAに移っているので17年間のアメリカライフを終えて、今日本に戻り新たなプロジェクトを手掛けている日々だ。アメリカで生まれたお子さんたちは今やスペイン語圏、英語圏で英語の通訳の仕事などをしている。 時

¥150

プチDAYS 「わけがあるからパタパタするのだ」

ぴがパタパタ動き続けていた。 時計を見ると夜1時くらいだった。もう朝かと思ったけど意外に時間が経っていない。昼間は結構ぴがあれもこれもと要求、小出しのおしっこやうんこをした。その度にお尻を綺麗にしてやると大きな欠伸をするので、気持ちいいんだなとこちらまで嬉しくなっていた。 ところが1時のパタパタは結構続いていて僕も起きて世話をしてやればよかったんだけどそのまま寝てしまった。ぴも諦めたらしく静かになった。

プチDAYS 「RYOKO Meets Jazz」

以前から「森山良子さんはジャズを歌われないのか な?」いろんな人に聞いていた。「森山さんが歌う日本語のジャズを聴いてみたい。」と。それに興味を持ったある人が「マネージャーさん知ってるから今度伝えてみるね。」と言ってくれた。でもなかなかそれが現実に伝わっていたのかどうかはわからない。僕がオリジナルを良子さんに書きたいと言ってもそんなに簡単にその夢が叶うほど簡単な世界ではないのはわかっていた。だけども言い続けることが僕自身のモチベーションにもなった。だから「もし歌われるなら?」そ

¥100
割引あり

プチDAYS「枯葉よ!」

枯葉よ。 毎日忙しくマンハッタンとブルックリンを往復する日々が過ぎて朝コーヒーを淹れ久しぶりにゆっくりと窓の外を見ると枯葉が随分路上へ落ちた。 黄色や赤の枯葉が風に揺れて頼りなさそうに散っていく。手のひらでカップを持ってその様子を見ているのがとても好きだ。 それこそ夏に向かう時の木々の枝に目が出てくる時の勢い、そしてやがて青々と茂る時のドキドキ感、この通りには一年を通して葉っぱの一生を見ることができる楽しみがある。

¥100

プチDAYS「コックスサッキーの空中庭園」

「dog friendly」「upstate」で検索してネットをふんふん見てたら見つけた! 早速ホテルの人とやりとりしたらとてもいい感じなんで即座に予約したブテイックホテル。指折り楽しみにしてた旅へレッツラゴー。 秋の紅葉を見にアップステートへぴちゃんと旅ができたらなって思ってたのでコンセプトは「ブルックリンの日常のまんま」。つまり普段の生活をそのまま持って片道3時間かけてハドソン川沿いの静かな場所へ移動したわけ。荷造りも手当たり次第詰め込んで一切合切車にぼんと放り込み、

¥150

DAYS 「デンバーに集ったジャズ知恵袋たち」

時間に追われてもう必死のパッチで駆け抜けるしかない。 そんな思いを抱えデンバーへ向けての飛行機に乗るためJFKへ向かった。ここんところ開発が進むラガーディア空港ばかり使っているので(僕が使う便がラガーディアが多い。)久しぶりのJFKに戸惑ってしまった。慣れとは怖い。ほんの少し来てないだけで僕も変わる、JFKも変わる。お互いどこかギクシャクするのだ。Uberを降りて全く違う列に並び10分ほどしてやっと思い出す。ここじゃないよ。ノロノロ荷物を引きづってチェックイン。無事だ。

¥200