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NEW DAYS ★ プチDAYS★ブルックリン物語

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ブルックリン在住の大江千里が日々の暮らしを綴る6000字前後の読み応えあるエッセイ。「NEW DAYS」も仲間になりました。単行本『ブルックリンでジヤズを耕す 52歳からのひとり…
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今年の2月はいいことばかりだ。

ヒーターが壊れた。 「ね。君の部屋も止まっただろう?」 アパートの主のような隣室の会計士マーシーが僕に聞く。 「そうなんだよ。やっぱりきみんちもそうか。」 なるだけ早く地下のボイラー室の異常を直してもらおう、と交わし合い別れる。普段だと広げてソファに置いとくだけで乾くtシャツやパンツもしっとりしたままだ。 そんな時に寝具の洗濯をした。結構な量なので乾燥機だけに負担を背負わせるのはどうかなと思い、ほぼ乾いたら乾燥機の外へ出しアイランドキッチンやソファやベンチの上にも毛

プチDAYS 「ポッケの飴ちゃんと侘び寂びで。」

ドカ雪が降ってまだ残っている、路肩や街のあちこちに。 大体、暖冬なんて似合わない、そんなNYをただやり過ごしてきたわけだから密かにこんな寒くて雪がいっぱい降るのをこの街が大好きな僕たちがほっとくわけがないのだ。 「わーい、ハプニング〜!」 サラジェシカパーガーもシンシアニクソンもみんな雪の街へ重装備で誰だかわかんないくらいしか顔が出てないoutfitで飛び出してゆく。 寅次郎がDeiを崩し、 イーロンがドージを早速進め、 こぎみよく世の中の不正やいらないものが一掃

プチDAYS「FBIは知っててもそれだけじゃ」

バックパックに荷物を入れて旅に出る。 行き場所は今まで「車で大陸横断」やら「ビッグバンドで」やら「八神さんの伴奏を弾きにも来た」そして「さくら祭り」、、、いつの間にやら「BLUES ALLEY」というジャズクラブでの演奏もやるようになりソロでもトリオでも。「リンカーンセンター」もやったな。すっかりぴと一緒のD.C.は「第2の故郷」のように感じてたのに、スミソニアン美術館もホワイトハウスもモニュメントも何も知らない。 これじゃマズイ。一念発起で動く。サッとエコノミーチケット

¥150

プチDAYS 「ワードローブ整理してたら「あ、ぽろ」と。」

ワードローブ整理してたら「あ、ぽろ」と。 写真がいっぱいの中に「あ、ぽろ」と。 かわいいよね。さっそく紙の裏に這わせてみるけどインクはもう流石にないみたい。この頃って初めてNYに行って天と地がひっくり返って、すぐに日本へ帰ってから「次のアルバムはNYで作ろう」と決心し実際に完成させたのが、 「あ、ぽろ」と、ではなく、「アポロ」すなわち、「Apollo」だった。 ツアー衣装をドライクリーニングに出してたのが出来上がったので持ち帰って、さてどこへ置こうと考えた時「そうだ、

American Songbookの雄、Cole PoterをHarry Connick Jr.が歌う、しかもメトロポリタンオペラ劇場で。

この企画を考えた人はすごいなと思う。 American Songbookの雄、Cole Poterを現代のアイコンHarry Connick Jr.が歌う、しかもメトロポリタンオペラ劇場で。 僕は初日のチケット、Family Circle席 $25を持っていた。考えたらこれだけのショーを25ドルで鑑賞できるってNYって街は懐が深い。こういうのって芸術に造詣の深い誰かの寄附で成立している。久しぶりにNYは相変わらずスメリーで、寒波の影響か犬のう◯こがカチカチになって転がって

振り出しに戻った気分でブルックリンへ

振り出しに戻った気分でブルックリンへ戻る。 まずは前楽と千秋楽をたっぷりサッポロで味わってwessの南氏とSMPにいなと僕でイタリアンバーへ打ち上げ。狸小路スクエア。 食アレルギーのはずのカルボナーラが美味しそうなので結局頼む。打ち上げなので、ま、いいか?3人で仲良くわけわけ。食アレルギーOKなオリーブを頼むと2人があまり摘まず、ほとんど一人勝ちで食べまくる。 セコマに寄りみかんとスイーツを買う。 翌朝はにいなと仲良く千歳から羽田へ。千歳ではそれぞれ早めに単独行動へ。

大江屋レシピ「衣裳のレシピ」

今週は衣装について。衣裳、衣装、、意匠、、。 11月くらいからぼんやり(日本にこっそり帰国時くらいから)「日本ツアーでこういうのが着たいな」と考えることが多くなる。12月に入ると3本のコンサートのことを考える時間がますます増え、時々マンハッタンやブルックリンのそれ風なスーツショップや衣装貸し出し屋、Thrift Shopなどを転々とまわる。 様々なスーツを見て周り自分の中で今回「カジュアル」というキーワードが明確になる。お好み焼きを焼くように真っ白なネリネリに自分らしい具

¥150

プチDAYS 「せつないけれど終わりがある」

ツアーが終わりに近づいてせつなく胸がキュンとするけど、終わりはあるわけで最後まで上り詰めよう。 芦屋へ発つ前に早朝、歯の治療をしたのがずいぶん前のようだが、あれから芦屋へ行きおでんを食べ寝てリハし本番やりイタリアンで乾杯し翌日、東京へ戻った。 ずっと東京の友人に預かってもらっていた”キョンともも”(前の犬)を受け取りに行って来た。この旅の空き日で2人をパウダーにしてぴと一緒にアメリカへ連れて帰る。やはりももはゴールデンだけあって重い。キョンも結構な重さで翌日のMusica

¥150

プチDAYS 「兵庫県立芸術 KOBELCOSENRI神社」

初日の富山、2日目の兵庫西宮のKOBELCOホールが無事に終了した。正直心からホッとする。走り出せた安堵感ともりあがった喜び、そして何よりも深く通じ合えた熱い実感だ。 もう今満員の新幹線に乗って東京を目指している。 思えば、ブルックリンークイーンズのラガーディア空港ーデトロイトDTW 空港ー羽田空港ー東京のホテルーかがやき新幹線ー富山のHOTELー富山AUBADE HALLー新幹線again to 敦賀ーサンダーバード to KYOTOー新幹線again to SHINK

TOKYO5:58

昨日の夜、ぴから木曜日の更新のことで連絡がある。 旅を続けてやっと最初の地、富山へ着いたところなので、まだ週で言えば月曜日くらいの感覚でいたところ、すでに木曜日が過ぎてしまって金曜日だと言う。そんなはずないだろう。 人間は夢中になっていると時間の感覚を失うことをまざまざと見せられたようで、でもちょっとこれはひどすぎるなと反省する。旅の途中も携帯を縦にしてtik tockを撮影したり、デトロイトでは文章まで書いてアップしたのに。あの後僕は羽田に到着し、荷物を受け取りスムース

SATC 男子版のクリスマス!

仲のいい友達同士でクリスマスに、Dinner & Movieの計画。 どんな仲間にも”鍋奉行”のような「仕切り屋」さんがいるものだ。こっちの店とあっちの店とどっちがいい? 総勢何名になった? 連れは連れてくる? グループメールでそれぞれの情報と存在をつなげる。初めてのお友達のぼくらもハートマークをつけたりところどころツッコんだりしてそれぞれに存在をアピールする。僕ら、きっと仲良くなれるよね?って感じで。 もしかしたらおばさんもNYにいるんで1人なんで参加するかも、やっぱり

¥200

プチDAYS + 大江屋レシピ#225 からのHoliday Card

合同企画。プチDAYS + 大江屋レシピ#225 からのHoliday Card。 ラジオで今年の10大ニュースはやりますのでクレに感じる様々な思いをここではお送りしようかなと思います。まず2024年、ひとりになって初めてのクリスマス、いろいろ考えた挙句ツリーを買いました。今までで一番大きなものだったんじゃないかな。 家族で見つめた去年のものは小さなものだった。もうツリーはいいかなって思う気持ちとやっぱり飾ろうと思う気持ち。結局後者が勝ちました。ひとりになった今だからこそ

¥100

プチDAYS 「バッグパッカーはプチピアノを抱え。」

「お詫び」を書いたら「斉藤知事ネタぶっ込んでくる?」とコメントしてる人がいた。そりゃ知ってますよ。 いまアメリカも兵庫も韓国もシリアもウクライナもロシアも大変なことになってますよね。以前住んでた家の近くでウーバードライバーの黒人男性が、「トランプ万歳! ヒラリーが選ばれてたらとんでもないことになったね。」と呟いた瞬間を思い出す。あの時はえ? なぜ黒人なのに? と疑問と違和感しかなかったし、いろんな人がいるんだなと「ノンポリ」ながら学んだ。合衆国なので本当に千差万別。 あれ

プチDAYS 「マグロの解体作業じゃない?」

サンクスギビングが終わるとクリスマスツリーを飾ろう。 そう思って毎年買っている店になんとなく見に行くのだけれど、まだ店頭には出ていない。流石に感謝祭が終わりブラックフライデイ明けにはあるだろうと思って行ったら、手のひらサイズのものが赤いリボンと鉢付きで5個ほど並べてあった。 例年だと僕の身長くらいの生ツリーが並ぶのだが…..と腕組みをして考える僕を見てチャイニーズの店主が中から出てきた。 「クリスマスツリーだろ? その小さいのを買っちゃいなよ。」 「いや、こんなに小さ

¥200