マガジンのカバー画像

NEW DAYS ★ プチDAYS★ブルックリン物語

204
ブルックリン在住の大江千里が日々の暮らしを綴る6000字前後の読み応えあるエッセイ。「NEW DAYS」も仲間になりました。単行本『ブルックリンでジヤズを耕す 52歳からのひとり…
運営しているクリエイター

記事一覧

プチDAYS「思いがけないDAY TRIP!」

どうしよう? 行く場所がない。 ホテルがダブルブッキングで出なきゃいけないことになった。シノゴの言っても始まらない。なので荷物を持って、買ったばかりのセブンのコーヒーを二つ胸に持って、公園のベンチに座る。 大きなスーツケースを抱えて早朝の壁打ちテニスを見つめる。そうだ。さっきコーヒーと一緒に買った卵サンドイッチを食べようと思い立つ。 「セブンの卵サンドをフライパンで両面焼くか、オーブンで焼くとめちゃくちゃ美味しいですよ。」 そう聞いたばかりばかりで思わず手が伸びて買っ

プチDAYS 「LIBの歌詞にある世界観」

みなさんは「LIB」はもう聞いてくれましたか? LIB=Life Is Beautiful 今回のこの先行シングル、apple, amazon, you tube, などのデジタル配信サイトですでに1曲販売しています。spotifyでも聴けます。ぜひSNSに何かpostする時のbacking musicに選んでくださいね。 この週末も「Beautiful」で参りましょう! Life Is Beautiful/ Ryoko Moriyama #RYOKOMORIYAM

プチDAYS 「爪が伸びるのが早い。」

僕がアメリカ生活で身につけたことは朝のコーヒーとベッドメイキングだ。 窓を開け空気を入れ、キッチンでシェルブからコーヒーメイカーを持ってきて3杯分コーヒーを淹れる。 ストレッチをして出来立ての湯気が立つコーヒーを飲みホッとすると、ベッドルームへ戻り散らかったコンフォートを綺麗にする。ホテルのピチッとしたあの状態のベッドにするのだ。 昔は起きたら起きっぱなしだったけど、このベッドメイキングをして皺を伸ばし左右対称にして、端っこのコンフォートたちをベッドの内側へ回し込み、ま

プチDAYS「秋は一番好きな季節。」

秋は年齢が60代になり一番好きな季節となる。 年々地球温暖化が進む中、季節感がどんどん薄れてゆく。そんな中ニューヨークの秋は意外に正直だ。街路樹の葉っぱが落ち、道の脇に枯れ葉が溜まり、その上を音を立てて歩く。それがジム帰りの日課となる。 一斉に古いアパートで動き出すヒーターも「どたん、かちゃん、ヒュルヒュルヒュル、、、、」と勇ましい。初夏以来?久しぶりに会う友人のように、また(秋冬が)やって来たか?と思う。や否や、部屋は「常夏の暑さ」となる。 一方いきなりまた外が30度

¥150

セトリ通信「バードランドの子守唄1st set show set list」

セトリ通信「バードランドシアター4ショー」を更新、記録しておこう。 どんどん記憶が薄れていく。なので覚えているうちに。 今回のライブの日程: 9月20日 7時と9時半の2公演 9月21日 7時と9時半の2公演 (合計4回) メンバーはSenri Trio : Senri Oe (p), Matt Clohesy (b), Ross Pederson (ds) 20日のゲスト:Jaleel Shaw (alt) 21日のゲスト:Michael Rodriguez (tp)

プチDAYS 「坊主ライフが始まった!」

丸坊主にした。 前からずっと(4、5年前から)やりたかったので、ずっとタイミングを見計らっていたのだが、ちょうどライブも一段落して、先週末に映像の撮影を終えて、取り急ぎ「表に出る」ことはないというタイミングを見計らい、散髪屋を探した。 そもそもエバン(いつも「NYC1のクールなスタイルにしてやる」を明言してやまない理髪師。)の予約があまりの人気で取れないことも理由の一つ。だったら前からやりたかった"坊主”にしようと。 そういえばエバンに大昔「坊主にしてほしい」と頼んだら

¥200

プチDAYS 「いろんな形のHB BASH!」

PND Records は8枚のジャズアルバムを出しているが、その全部を一緒に作っているのが有田純子さんだ。僕の本にも出てくるので詳しくは「9番目の音を探して」「ブルックリンでジャズを耕す」を読んでみてください。 純子さん=Junkoはニューヨーク在住30年。僕の学舎の「The New School For Jazz and Comtemporary Music 」の今も先生で、教鞭を取ってらっしゃる。通称Junko。 そのJunkoと誕生日が近いため、毎年PNDの打ち合

¥200

プチDAYS 「ぴと夕涼み。」

今年の夏、日本に帰る少し前に、マンリーから、 「にいちゃん、実家、最後のタンス出したで。これで鍵渡したら終わりや。」 とラインがあった。 そうか、 2人とも実家にはもう住まないしどうしよう処分しないと、と話したきり互いに避けてた会話……あっという間に数年が流れた。

¥150

新新 *SenriとRyokoのおしゃべり泥棒* 7

ノーランとJunkoさん、僕の3人での音の見直し日、思ったよりも時間を要することがわかったので夜に予定してたdinnerをドタキャンした。なんかドタキャン多い。 間が悪くエアコンの直し作業が入ってしまいスタジオの温度がうまく下がらない。僕は汗がポタポタ床に落ち、水溜りを作る寸前だったが、細かい作業のJunko さんやノーランはもっとかわいそうだった。痺れを切らしたノーランが「もう我慢ができない」と頼み込み、ボスのアーロンが本来ミックスで使う部屋へ移動させてもらうことに。

¥100
割引あり

プチDAYS「FOOD DANCEでワルツはいかが?」

昨日はリカバリーデート。一昨日ドタキャンした友人との。もうかれこれ140年くらいの付き合いになるNYに35年住んでる日系の友達。 6月に日本に行く前に会ったきりだから2カ月ぶりになる?もうこのあとの日々は怒涛の自己リハに突入するので最後の夏の終わりと秋の始まりを満喫する楽しみもあって。 「Senri、もしかして前に会った時(6月)と同じ服じゃない?」 「え? 嘘でしょ? おしゃれしてきたのに! もしかして久しぶりに会うので気合いが入りまくって、下も上も前あった時と同じコ

新新 *SenriとRyokoのおしゃべり泥棒* 6

撮影のあった翌日も、いつもの午後1時前になるとスタジオのベルを押して古いビルの中の迷路を行く。そしてAndyがスタジオのドアを開けて待っててくれる。今日もレコーディングの始まりだ。 僕が最近家で飲んでるブルックリンで一番安く手に入るコーヒーとおそろ、安くて尚且つおいしいエクアドルのコーヒーを、ノーランが手際良く淹れる。僕らはBスタジオ。この前みんなで賑やかにリズムを録ったAスタジオにはジャズビッグバンドのレコーディングがこの日入ってて、人懐っこいジャズメンたちが「よ!」と声

¥100
割引あり

新新 *SenriとRyokoのおしゃべり泥棒*1

Ryokoさんご一行がニューヨークに到着。僕がproduceをする今年冬発売のJazz Album『Life Is Beautiful』のレコーディングのためだ。 マネージャーさんたち、通称エンジェルボーイズのミゲルさんとパンチョさん、そしてRyokoさん。民泊のチェックインより早く到着したものの、全てが奇跡のようにスイスイとうまくいき、お掃除の片言の英語を話すヒスパニックの女の子も「Enjoy your stay!」と満面の笑顔で手を振り去って行った。民泊で必ずと言ってい

¥100
割引あり

新新 *SenriとRyokoのおしゃべり泥棒* 2

リズムの日は9曲録音する。アルバムの曲数が9曲、厳密にいうと8曲+ボーナス曲が1曲、合わせて9曲。 録音中何が起こるかはわからない。なので油断や楽観は禁物だ。10時間で一応スタジオをLock outという形で押さえてあるが、11時にはカウントオフして1曲目の演奏を開始する。僕がproduceするプロジェクトは11時と言ったら集合11時ではなくて本番の録音スタート11時だとみんな認識しているので、それぞれがその瞬間に向かって仕上げてくる。 映像チームのSamとStephan

¥100
割引あり

新新 *SenriとRyokoのおしゃべり泥棒* 3

リズム(ピアノ、ベース、ドラムス)のバッキングドラックが仕上がり、そのミックスされた音源に載せていよいよボーカルレコが始まった。 ミックスボイスという呼び方の声で今回のRyokoさんは歌っている。ヘッドボイス(裏声)でもチェストボイス(地声)でもないその両方を併せ持ったミックスされた声なのだ。 おでこあたりのパレットを開く。そこに声を当ててリズムに乗って歌っていく。音域が地声の範囲に降りても実声を落とさずヘッドに響かせたままに。左足のダウンビートと右手のアップビートのカウ

¥100
割引あり