認証ビジネスについて思うところを。

ただいま、平成最後の夜です。

てなベタベタなことを書いてみる。
あんまし元号にこだわりありませんが、
周りがやいのやいの言い出すと「けっ」となって
「別に元号変わったくらいで何か変わるかよ」
とか言いたくなるくらいにはひねくれています。

実は引っ越しました。
茶園から車で3分の家から、歩いて3分の家に。
前の家はオール電化、組み込みの食器乾燥機があったり、
ボタン一つでお風呂のお湯が張られたりする家だったんですが
今回の家はTHE古民家。。に増築を行って現代に対応した家。
母屋は「田の字」に切られてて、増築部分にダイニングやらキッチン
お風呂に洗濯機を置くゾーンなんかがくっついています。

引っ越したばかりで荷物がそれはそれはもう
「震災?」ってな感じでひっくり返っているんですが
明日来客があります。
家でみんなでモロッコ料理を食べます。
やばいので必死のパッチで買ったのに読んでなかった雑誌を
ここぞとばかり読んでみたり
「こんまり先生ーーー!」と叫びながら
いらない服もいるような気がする服も
大事だったような気がする服も、パンツも靴下も捨てまくったりしてますが
ひとまず現実逃避に久々noteを書きます。

表題に戻ります。
もうしょっちゅうしょっちゅう聞かれます。
「有機JAS認証取られてます?」「有機JAS認証取らないんですか?」

知らない人のために説明すると、JAS認証は、
Japanese Agricultural Standardの略です。
JASは知らなくても、JISやISOをご存知の方もいるかと思います。

要は、「ちゃんと製作物を作っているのかどうか」を第三者機関がチェックして
うん。問題ないねと「お墨付き」を与える行為。
それが認証です。

JAS認証の中でも、「有機JAS」は、いわゆる有機栽培。
JASは、国が制定している規格なので
「有機○○」と名乗りたければJAS認証を取らなければなりません。
あと「無農薬」というのを名乗るのは、実は禁止されています。

まあ細かい話はいいとして、個人的にはあまり好きじゃありません。
認証ビジネス×農業の組み合わせ。

以前、医療機器メーカーに勤めていた時には
「認証」というシステムはとても重要でした。
人の命に関わる際に人的ミス、ケアレスミスによる損害を全力で防ごうとする。
その結果としての認証なので、ここには合理性がありました。

工業製品についても、例えばネジの一つ一つが、
信頼に足る性能を持っているのか。
それによって動く車、バス、飛行機、
それによって建つ橋、ビル、は大丈夫なのか。

これはとても重要ですし、
ここに認証ビジネスが必要なのはとてもよく理解できます。

ただ、、農作物にそれを適合させるのはやりすぎなのではないかと思っています。

基本的に、認証は「人はミスをする」という認識に基づいて作られています。
「ミスが存在してはならないもの」にクロスチェックをかける行為は
健全だと思いますが

「お前の作ってる農作物はちゃんとしてるのか?」
「お前の作物作りはミスしてないか?」
という行為は
不健全なんじゃないかなあーー。
と思うのです。
そもそも農作物作る行為に「ミス」とかあるのか?とも思います。

とりわけ、お茶は、嗜好品です。
嗜好品は、「好き」「嫌い」を自分で決めて選ぶ品です。
その基準は「喜び」や「楽しみ」や「快感」に基づく方が僕は好きです。

「疑惑」や「不安」や「こいつ、嘘ついてんじゃないのか」
という感情を持ち、そして
「おい。ちょっとお前調べてこい。その後も継続的に年1回調査しとけ」
となり、その状況を用意してから
「よし。じゃあ買うか。」
と選ぶものではないのでは。。と思います。

認証ビジネスは、「疑惑・不安」を「安心・安全」と言い換えます。
ひっくり返せば同じことを言っています。

僕は化学薬品や有機、無機を問わず、肥料を購入せずに農業をしています。

ではそれは無農薬なのか?
と問われると正確ではありません。
何故なら、何年前からやってないのか?
「農薬」とは何を指すのか?

正式に引き継ぐまでは2年前の秋まで化学肥料はやっていました。
その残留肥料は何年残るのか?

二十年以上農薬はやっていない、、と地元の方々からは聞いていますが
茶葉に防虫防除の薬品は撒いて無さそうです。まく機械がなかったので。
じゃあ下草のは除草剤は?
20組程の方々がこの茶園に関わってました。
全てのエリアでその定義や意思が統一されていたわけではないでしょう。
ただ、野村が関わり始めた2016年からは、
除草剤含めやってません。

ああややこしい。
「無農薬」はこのように定義が難しいので、表記が許されていないんだと思います。

でもその事を客観的に証明するために
「疑い」を晴らすために
こんな長ったらしい説明をして、
記録を取り、記録を数年分保存し、
なん十万円の申請費用を提出して
「お墨付き」をもらうべきか。。
というのは悩ましいところです。

僕は、今のお茶園のあまりに美しい景色に感激して
仙霊茶を継承する事を決めました。
その時の感激を大事に、その感覚を真ん中に据えて
お茶を作り、お茶をみなさんにお届けしたいと思っています。

それでも心配な人は、ぜひお茶園に遊びに来てください!
百聞は一見に如かずとはよく言ったもので、
有機JASのマークよりも説得力あるんじゃないかと思っています。

何年も前の古い化学肥料の袋とかたまに捨ててあったりしますけど(笑)

あと、結局商売上、取らないとにっちもさっちも行かなくなったら取ります。
その時は「偉そうなこと言ってたけど、折れたな」と笑ってやってください。

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