マガジンのカバー画像

『作楽(さくら)』をはじめとする5代目のモノづくり

33
となみ織物5代目が制作する帯や着物のモノづくりを紹介。 その一つシリーズ『作楽』は、『楽しさをつくる。』それをコンセプトにモノづくりをしているシリーズです。今まで帯にはなかった…
運営しているクリエイター

2020年6月の記事一覧

作楽#21 彩作楽唐草(雲龍錦版) もう織れない帯

1,デザイン 唐草は、蔓草の様子を図案化したもの。古代四大文明のメソポタミアやエジプトを起源に持ち、ギリシアに伝播、ユーラシア大陸を渡り、日本に伝わったものとされています。ロータス柄やパルメットとも合わさることで、それぞれの地域や文化に根付き、今でも世界各国で見られる文様となっています。 蔓がどこまでも伸びていく様子を生命のシンボルとみなしたり、繁栄や長寿を意味すると考えられた吉祥文の一つです。 帯としては、帯幅いっぱいに広がる唐草を4色の色糸と金銀糸、それをミックスさせ

作楽#20 乱菊/秘錦(雲龍錦版) もう織れない帯

1,デザイン/乱菊 乱菊:菊文様のひとつで、花弁が大きく、字の通り乱れ咲いた様子をデザイン化。昔から古典文様の一つとして着物の意匠につかわれ、様々なアレンジをされてきました。 そもそも、菊柄は不老長寿、太陽になぞらえられ、百花の中でも最上位。重陽の節句に菊を眺め、菊酒、邪気払い。古代中国では菊は神仙の霊草とされていました。 後鳥羽(ごとば)上皇が、承久の乱のときに刀剣に刻むなど、好んでこの菊模様を用いられたことから、皇室の紋章となったとも言われています。 帯として、大