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雨音はざあざあと激しく それにつられるかのように なき声がする 桜 烏 人 心 あと 月 今…
ためいきを一つ 二つと三つ 特に理由はないけれど 美味しいものでも食べに行こうか 気のすむ…
心が凪いでいる そこは波音一つなく カモメは優雅に飛んでいて 舟がぼちぼち浮かんでいる 進…
窓を打ちつける夕立が 奏でていた 私の頭の片隅をくすぐる リズムとメロディーと。 ここは欧…
炬燵の朝は早くて お尻は暑いのに顔は寒い わたしはぶるぶると震えながら 夢と現実のはざまを…
遠くに見える東雲があくびしていた 白い吐息は春を告げるファンファーレのよう スズメもカラス…
ココは空気が澄んだトコ 私の理想の住処です あなたにぜひ来てほしいけど できればこないでほしいです 私には夢がありました 私には愛がありました 私はみんなに好かれたかった 私は無様な登山者でした あそこの大きな丘に向かって 毎日ツメを立てていました 毎日憂いて 涙をこらえ 目をつむっては 祈りを捧げ 色とりどりの風船を ふくらませては 空に放って ただただ上を 眺めるだけで 満足してた 惨めなものです だけど私は見つけたのです 正しくは すでにいたのですけど こん
羽が1枚おちてきた それは黒色といえるだろうか 夕陽に照らされ舞っていたそれは この世のすべ…
無重力の彼方から やってきたのは明の風 僕の知らない世界を旅した 君の話を聞かせておくれ…
夜を泳いで 幻想の快楽に耽る 夢幻の輝きに息をのみ 後ろに迫る悔恨の 荒波に気づくことも…
白銀世界に染まった彼女へ 颯が過ぎて御髪は乱れ 顔に憂色をたたえた彼女に 私は無闇に傷つ…
宿雨の夜は 冬の水面に ラヴェルのごとき音符を映し 聞こえる音色は とうとうと 駆け巡る…
雪のにおいがして 見上げると秋の空 白き枯葉がひらひらと舞い 遠くで犬が吠えていた 肌を…
視えない雪が降っていて 消しゴムが涙を流していた 悴んだ手を そっとポケットで温めて あなたの冷たい手に 温かい手を差し伸べてあげたい 漏れた吐息で希望をつくって あなたの深い溜め息に 未来を包んでくちづけをしたい 尽きた心からニキビのように 根を張り出てきた むず痒い言葉たちを こうしてノートに書き連ねて 万年筆は汗をかいた 悴んだ心が ほんのり火照った