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風を詠むように生きていたい

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投稿した詩のまとめ。 どこからともなく吹いてくる風たちに、それぞれ名前を付けてあげることができたらなんて素敵な日常だろうかと思う。
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#自由詩

(詩)春、雨の月

雨音はざあざあと激しく それにつられるかのように なき声がする 桜 烏 人 心 あと 月 今…

(詩)ためいき

ためいきを一つ 二つと三つ 特に理由はないけれど 美味しいものでも食べに行こうか 気のすむ…

(詩)トラッドモーメント

窓を打ちつける夕立が 奏でていた 私の頭の片隅をくすぐる リズムとメロディーと。 ここは欧…

(詩)五月雨は知らない

五月雨は知らない 私の心は 年中雨が降っている 木々の歓びも ぬかるむ土の小躍りも なんだ…

(詩)マロネ

炬燵の朝は早くて お尻は暑いのに顔は寒い わたしはぶるぶると震えながら 夢と現実のはざまを…

(詩)琥珀色のうた

遠くに見える東雲があくびしていた 白い吐息は春を告げるファンファーレのよう スズメもカラス…

(詩)Time Difference

もしもしカメよ 待っておくれよ 歩みがノロいといわれているけど 鼻唄を歌いながら歩く その後ろ姿は 次第に小さくなっていくよ 時に 眩しい光を放ちながら 時計の針は10時10分 もう一方は2時5分 1つの部屋で生まれでた なんとも不思議なパラレルワールド わたしはあなたのことをよく知らない わたしの知っているあなたは 歩みのノロい者だけど わたしの知らないあなたは もしや 瞬間移動できるのかもね Time Difference わたしは歩く あなたを想いながら 顔を合

(詩)積み木

〈Ⅰ〉 こんなもんかと僕は言う 諦めぐせがついている こんなもんはと君は言う 男のくせにと向…

(詩)曇天

どれほどの時がたっただろう 頭の中では 現実との乖離を顧みずに 水を含んだ野鼠色に 取り憑…