時間をかけてよくわからないことを
スタッフに先生になってもらって、月一のヨガを続けること丸一年。
毎月少しずつメニューを変え、その時々のテーマに沿った構成を考えてくれる先生のおかげで、
このヨガの時間がすっかり楽しみになっている。
今の自分の精神状態を知り、自分のもといた場所にリセットし、深い呼吸で意識を今この瞬間に集中させていく。
このヨガと文章講座のことは、以前ここで少し書いた。
1年経って感じられること。
3年してわかること。
5年後に気づくこと。
10年すると生まれる問い。
20年をまたいでまた戻る道。
「すぐできる」「5分でわかる」「簡単便利」「早くて大量」「わかりやすい」ことはどれも悪くないけれど、
時間をかけないと身につかないこと、よくわからないことは、時間をかけた分、その人に長い間味方になってくれる。
ヨガを続けて1年経った今の自分は初めて、呼吸に合わせてイメージした光が何も遠くの大きなそれではなく、
ベランダの草花に降り注ぐ優しい日差し、
食卓に置かれたガラス食器を通る穏やかな輝き、
どこかで見た野の花に当たった、風と共にあるほがらかなきらめきを、
それぞれ感じるようになった。
すぐそばに既にさまざまな光が溢れていること、そしてその光に触れ、包まれ、しているこの日常を思うと、
ほんの少しだけ涙が出そうな気分になる。
時間に追われ続けていた、会社員の頃。
街路樹がいつ葉を落とし、芽吹き、葉が生い茂り、花をつけ、また枯れていくのか知りもせず、感じることもできずにいた、あの頃。
あの時から流れた時間は伸びたり縮んだりしながら、でも、思ったより心地いいところまで連れてきてくれたことを思うと、ぐっときた。
すぐにはわからないことを、時間をかけて。
あなたと一緒に。
#今日の (正確に言うと3日前の)一冊
#金継ぎ手帖
#ナカムラクニオ
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