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22番 2021.6.3

育てているカブトムシの幼虫が飼育ケースの縁でサナギになりつつあると、
息子が興奮気味に仕事帰りの父親に報告している。

ベランダのナミアゲハは卵から蝶になり、
一方で土手から拾ってきて2年近く水槽にいたどじょうは突然に命が尽きた。
そして、一度花を落としたベランダミニバラが今、二度目の蕾を膨らませている。

我が家に巡るいのちに、心奪われながら過ごす日々。
こんな日常がやってくるだなんて、1年前は思いもよらなかった。


最近、理由もわからず涙が出て仕方なかった映画、『ソウルフル・ワールド』。

22番が地上で煌めきを感じるあのシーン、センスオブワンダーを知るあの路上のシーン。
映画の中でジョーがそうしたように、努力と行動を積み重ね、何者かになる、何かを手に入れる。
それは素晴らしいこと。
一方で、葉が風に舞う、蝶が羽を広げる、日差しが降り注ぐ、花が香る、雨露が滴る、
自分がただここにいる。
22番が感じたこと。これも同じくらい素晴らしいこと。

めぐるいのちは、ただただ、煌めくいのち。


#今日の一冊
#こぶしのなかの宇宙
#いせひでこ
#154 /365

#ソウルフル・ワールド

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センジュ出版 代表 吉満明子
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