この世界の美しさ　2021.4.28

長編アニメ映画『ソウルフル・ワールド』を家族揃って観賞。

個人的に、22番のソウルが地上できらめきを感じる瞬間のシーンがもっとも印象に残る。
一枚の葉が枝を離れて空をゆっくりと舞う。
地上に生きる意味など何もないと言い張っていた22番が、その光景に心奪われ、「生きる」ことの美しさに目覚めていく。
生きるとは、ああした瞬間にこそ本質があるような気がした。
思えば文章てらこやでも、著者との本作りでも、センジュ出版が目の前の人に伝えた文章とは、その人が人生で何を美しいと感じているのか、それでしかなかったように思う。
その美しさを知ってもらうために本を通じて自分に問いを立ててもらうのが、読書てらこやだ。

観終わって、夫に甘える息子に伝える。

「生まれてきた理由は、そんな一瞬を味わうためだよ。
　抱っこしてくれてるお父さんの体温とか、大きな手とか、指の爪の形とか、たくさんたくさん感じてごらん。
　きらめきは、いっぱいあるから」

私の話を聞きながら、じっと夫の手を見つめる息子。
彼の生きる世界に、美しさがあふれますように。

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