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未来の海路へ

5年前の今日、書いていたこと。
息子が4歳になる年のことでした。

少し前のこと。
いつものように息子に「誰が好き?」と、
「ママ」と言ってもらいたいだけの親バカ質問を投げかけた。

すると、期待通りに、返事はママ。
ニタニタしながら、これもいつものように「他には?」と聞くと、
これもいつもどおりにパパやババ、ジジ、フィル(犬)などの名前が続いた後に、
「でも、やっぱりやっぱり○○(自分の名)が好き」
の一言が。

驚きつつ、嬉しかったので思わず、
「ママも、いちばんはママが好きだよ」
と返して、息子の言葉に賛同する気持ちを伝えることに。

親になって子どもにまず伝えたかったのは、
「自分のことを好き」
と思える喜び、強さ。
もちろん彼の人生は始まったばかりで、
こんな返事をしたこと自体すぐに忘れてしまうだろう。
これから、人と比較したり、比較されたり、
ぶつかったり、凹んだり、自分を責める日もきっとあるし、あったほうがいい。

だけど。
時間がかかってもいいから、それなりにでいいから、
いつか、自分のことを自分自身で認めてほしい。
自分のことを大切にすることの全部を、
人に委ねないでほしい。
舵を預けた舟は、自由な航海を知らずに海を漂うことになるから。
あなたの海路がどうか、少しでも、
あなたに喜びを授けますように。

とはいえ、母ちゃんはまだまだ道半ば。
あなたのその言葉に人生をまた学びながら、
あなたがわたしから旅立つその日まで、
一緒にのんびり歩いていきますので、
もう少しの間、よろしくね。


それにしても、この5年の間に改めて気づいた。
子どもは親がやること、親の言うことを驚くほどになぞってくる。
わたしが自分を責めるようなことを口にした時は、息子も自分を否定するような言葉を並べた。
こちらがおだやかに接すれば、息子も心地良さそうにしている。

子どもに、未来に、幸せを望むなら、
今できることを、親から、自分から、して見せること。

5年前に比べて自分のことを好きかと聞かれればなんとも言えないけれど、
少なくとも、5年前よりほがらかな時間は増えた。
心地よさを感じている時間については、好きと言えるかもしれない。
これからも、できるだけこの時間を大切にできるように、
そうした「お母さん」の自分を息子に見せていられるように。

息子の海路のためにも、努力しようと思った5年後の今日。


#今日の一冊
#ハローグッバイ親と子のポケットブック
#松浦弥太郎
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センジュ出版 代表 吉満明子
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