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千住暮らし100stories

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千住のrealを知る100のものがたり
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2023年5月の記事一覧

【story21】エンタメ支える路地裏-千住暮らし100stories-

遠藤 斗貴彦さん 40歳 架空と想像を実体化北千住駅東側――千住旭町の中心をまっすぐに伸びる商店街から一歩外れると、賑やかさが嘘のように閑静な住宅街へと変貌する。両側から木々の枝葉がはみ出す細い路地は、昭和にタイムスリップしたようなあたたかさを感じさせる。だが、道を歩く人の姿はない。昼下がりという時間帯のせいなのか……。ふと、一角にある平屋の建物が目に入る。軒下には細長い形の裸電球がいくつもぶら下がり、足元には黄色い草花が咲き乱れている。何かの倉庫だろうか。日差しを浴びて明

【story19】空き家がまちをつなぐ-千住暮らし100stories-

青木公隆さん 40歳 千住寿町にある、空き家をリノベーションした複合コミュニティスペース『せんつく』。名前の由来は「千のつくるが行き交う場所」。銀鮭専門割烹、パン教室、整体カフェなどの「つくる」をコンセプトにした店が集まり、さまざまな人との縁が繋がっている。2022年12月には、千住宮元町に「学ぶ」をコンセプトにした『せんつく2』がオープンした。 これらを企画・設計・運営をするのが建築家の青木公隆さんだ。木造でほっこりした雰囲気の『せんつく』の空気感とも少し違う、淡々と

【story12】子ども達と世界を結ぶ(HOSTEL 1010、MILLS COFFEE)-千住暮らし100stories-

HOSTEL 1010、MILLS COFFEE 店主 欒天翔さん 38歳 Profile らんてんしょう 1983年上海生まれ。子どものころ、文筆家の父がラジオの海外チャンネルを聞いていたことから海外の文化に関心を持つ。中でも日本のアニメや文学に興味を持ち、約2年、独学で日本語を勉強。上海での日中交流パーティで後に妻となる百恵さんと出会い、約1年間、遠距離恋愛。2011年3月11日の東日本大震災を知り「彼女を助けに行かなくては」との思いで3月下旬来日。しばらくは浅草の日本

【story11】書と酒場と人とカフェ(路地裏寺子屋rojicoya)-千住暮らし100stories-

路地裏寺子屋rojicoyaオーナー・書道家 米本芳佳さん 33歳 千住のお母さんとの出会い「お母さん、ちょっとだけ顔を見に来たよ!」 書道家 なすご龍芳として活動し、2020年にオープンした和文化の発信地&カフェ『路地裏寺子屋rojicoya』オーナーでもある米本芳佳さんは、とある酒場の扉を勢いよく開ける。3児の母で、4歳の次男と0歳の三男を自転車に乗せて、仕事場から家に帰る途中だった。 このお母さんとは、血のつながりはない。おでんが名物の小料理屋『花くま』の女将 藤

【story10】働くと暮らすをつなぐ(センジュ出版)-千住暮らし100stories-

センジュ出版 代表 吉満明子さん(46歳) 暮らしと仕事を溶けこませてハーブの優しい香りが漂う室内には、アンティークやハンドメイドの家具、ドライフラワー、魚たちが暮らす水槽と大小の観葉植物、そしてたくさんの本が置かれている。ここは千住を代表する出版社・センジュ出版の応接室兼ミーティングルームであり、センジュ出版代表の吉満明子さんの自宅だ。 「つい最近、今まで使っていた事務所スペースをコンパクトにして、自宅スペースも仕事場として使うようになったんです」と吉満さん。 千住3

【story9】八百屋の長い1日(横田青果店)-千住暮らし100stories-

横田青果店 横田清重さん 72歳 活気の中に笑顔があふれる店内 「わあ、美味しそう」。 乳白色の姿形がきれいなレンコンを見た女性客が思わず口にすると、野菜を並べる手は止めず、「今、はすが美味しいのよ。はすのキンピラとか天ぷらとかね」と横田清重さんがふんわりと受ける。「大きい梨ね」と言う客がいると「今は『にっこり』が一番美味しいの。食べるとにっこりしてしまうくらい美味しいから『にっこり』って名前になったんだって。今年は幸水は良くなかったの。透き通って。7月8月の熱波にやられ

【story8】おもちゃ箱みたいなカフェ(エスディコーヒー)-千住暮らし100stories-

エスディコーヒー 鈴木保幸さん(46歳) 宝箱、おもちゃ箱、ビックリ箱。キラキラ、ワクワク、ドキドキするそれらをきれいに混ぜてカフェにしたら、こんな感じになるのかも――? 面白そう、とつい足を止めてしまう。「この店を始めた理由は、元気になる場所を作りたかったんですよ」。遊び心満載のカフェ「エスディコーヒー」は、いつも次々に訪れるお客さんで、活気が溢れている。 選ぶ基準は「面白い」の感性古めかしい看板、50年前くらいにはどこの家庭にもあったであろう年代物の扇風機や脚付きのテ

【story7】地域とつながる建築家(Senju Motomachi Souko)-千住暮らし100stories-

Senju Motomachi Souko 石村大輔さん 32歳 広い倉庫の中。大きな天井と、空間を囲む四方の壁面すべてが、通常なら壁材の内側にあるはずのシルバーの断熱材に覆われている。 巷でうわさのSenju Motomachi Souko(センジュモトマチソウコ)。石村大輔+根市拓という建築家2人ユニットの事務所がここにある。もと米の倉庫だった建物の、1階の半分と2階部分。もこもこした断熱材の上に配置された大ぶりなメッシュや金属のレールは、電気工事で使われる建築材。2

【story6】柳原に魅せられて-千住暮らし100stories-

グラフィックデザイナー 本舘久美子さん 荻窪出身。今は柳原が故郷のよう柳原は、北千住駅から東に向かって5分ほど歩いたところにある町だ。 いくつもの路地が繫がり複雑に交差する町並みには、下町らしいのどかで懐かしい雰囲気がただよっている。 「柳原は親や祖父母の代、その前から代々暮らしてきていて、小さい頃からお互いを知っている人が多いんですよ」と熱い口調で語ってくれたのは、フリーランスのグラフィックデザイナーである本舘さん。柳原に惚れこんでいる人の1人だ。 「それなのに、ど