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自己肯定感の高さは幸せな恋愛に不可欠だと思う

恋人の存在は自己肯定感を向上させるか?

答えはYESだと思う。だが、自分のことを(自分で自分の自尊心を満たせない代わりに)愛して認めてくれるからという理由ではとても危険だと考えている。

危険な自己肯定感の上げ方

「恋人がわたしのことを好きだから、わたしは自分のことが好き」「恋人が素敵だと言ってくれるから自分に自信がついた」
こんな条件付きの自己肯定感は、恋人がいなくなってしまったときの落差のぶんだけ辛い絶望になる(何度も経験したので多くは言うまい)。
付き合っている間でも、このくらいの愛を返してもらえるだろうと知らず知らずに期待してしまう。他人ほど不確定な要素はないので、必ずどこかで裏切られる。その結果恋人に対して落胆し、ケンカになったり幻滅したりする。
つまり、恋人それ自身を見るというより恋人を通して自分を見ている感覚に近くなる。

「恋人が欲しいと思っているときはできなくて、もういいやと思っている頃にできる」というのはこの裏返しだと考えている。
恋人から何かを求めている状態では相手に対して勝手な期待を抱きやすく、恋愛がうまくいかない。逆にその執着を手放して、自分自身で必要な感情を生み出そうと思うと相手そのものを見つめられる、結果として恋人ができやすくなるのではないだろうか。
相手自身を見て愛するためには、自分の自己肯定感の高さが必要だと思う。


YES持論1:余分なことを考えなくなる

そして、たぶん今のわたしにとってもこの質問の回答はYESである。
わたしにとって自己肯定感の高さとは、過去や未来、他人などの変えられないネガティブな要素に心を惑わされることなく、”今”自分に何ができるか、何を感じるかにフォーカスすることだと考えている。

恋人に会いたいと思う時間や一緒に楽しく過ごす時間は、思考を不要な比較から切り離して今や楽しい過去と未来にフォーカスさせてくれる
これが自己肯定感を高める理由になると思う。


YES持論2:共同体への貢献により自己受容が進む

 アドラー心理学にこんな考え方がある。

人間にとって最大の不幸は、自分を好きになれないことです。この現実に対して、アドラーはきわめてシンプルな回答を用意しました。すなわち、「わたしは共同体にとって有益である」「わたしは誰かの役に立っている」という思いだけが、自らに価値があることを実感させてくれるのだと。

「嫌われる勇気」岸見一郎,古賀史健

恋人との関係性を一つの新しい共同体とするならば、相手を愛することや何かをしてあげることはこの共同体への貢献になる。
この貢献は、ありのままの自分を受け入れる「自己受容」につながる。
少々強引にまとめてしまえば、恋人に尽くすことはその行為によって自己肯定感を向上させることができる

恋人が愛してくれるから、ではなく、恋人に尽くすことができるからを理由に自己肯定感を上げることができるならアドラー的には大正解なのではないだろうか。



パートナーの見解

表題の持論を彼にぶつけたとき、概ねの同意は得たが彼の理由は異なっていた。
その見解が非常に興味深かったので、本人監修のもと要約させてもらった。


自己肯定感が低い人は自分の思考のクセを相手に押しつけやすい

期待とは予測である。相手に対する超希望的な予測。この予測のクセを無意識に押しつけてしまう。
例えば、「自分に親切にしてくれるのだから、両親も大切にする人なのだろう」といったように、相手に対して飛躍した予測をしてしまう。そこで実は両親とはうまくいっていないとわかると幻滅してしまったり。
自己肯定感が低い人は、自分の中での理想と現在とのギャップを感じやすい。この差分を見るクセを知らず知らずのうちに相手に押しつけてしまっていることが多いのではないだろうか。
だから、元からないものに対して勝手に期待しガッカリしてしまいやすい。


「重い」「釣り合わない」はどうして感じるのか

本来人間関係は、されたことに対して嬉しい、ありがとうと言えるだけで十分なはずである。しかし何かをされたときに、「この人は何を求めているんだろう」「自分も同じようなことを求められているのかな」「自分がやらなかったから皮肉がこもっているんじゃないか」と考えてしまうことが、重いと感じる気持ちの裏側にある。

また、”釣り合わない”という気持ちも相手ではなく自分にベクトルが向いてしまうからだと考える。
自己肯定感が低いと、されたことに対して何も返せていない自分にばかり目が向きやすく、「これだけ尽くしてくれるあなたとわたしは釣り合わない」という思考になりやすい。
愛情の釣り合いだけではなく、スペックの釣り合いも似ている。本来は双方がそれでいいと思えるなら考える必要のないことなのに、相手の方が見た目や学歴、収入が上回っていることに対して自分が同程度の価値を提供できていないかもしれないと悩んでしまう。


結論として、自己肯定感は高くなくても幸せな恋愛ができることはあるが、自己肯定感の高い人は幸せな恋愛ができると語っていた。

ちなみにこれはポッドキャスト内で話した内容の抜粋である。


自己肯定感と恋愛に関しては、まだまだ話せる余地があるように思う。
特にパートナーの意見は、物事を俯瞰的に見つめてのもので「たしかに!」と思える部分が非常に多く、話していて大きな発見があった。
考えることは楽しい。
いろいろなところでその思考の記録を残すのもまた必要なことだと感じた。
昔書いた文章に懐かしさを感じ、当時の記憶が蘇るように。
今のこともできるだけ記録していきたい。



追記

ポッドキャストのまとめnoteも作った!
自己肯定感、恋愛、哲学など真面目なことを考えているので、こんな感じの記事を他にも読みたいと思ったときにぜひ。


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